DAY12 目覚め

「やあ、ようやくお目覚めかい?」

 意識が朦朧としているというかなんというか頭がはっきりしない。違和感がある。そんな中でもはっきり聞こえたのは彼女のそんな言葉だった。

「ん? ようやく?」

「また覚えていないのかい? 一度起きたとおもったのにすぐに寝たじゃないか」

 何も、覚えていないのだが。

「そうなのか?」

 彼女は軽く微笑みながら、

「そうだよ?」

 どこかからかうようにそう言った。

「今度は七日間も寝てたんだよ? 一体どんな夢を見たんだい?」


 覚えているのはひとつだけ。

「お前は一体何者なんだ?」

 彼女の出した金色に輝く大きな円のことだけは鮮明に記憶されていた。

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