DAY16 住み心地

「不思議とは関係ないのだが、何でお前はこんなところに住んでるんだ?」

「こんなところ?」

 彼女はあくまで具体的な質問にさせようとする。

「ここは家なのかガレージなのかよくわからないようなところだ」

「ここはね、シェルターだよ」

 僕は納得した。コンクリ固めの壁、一つもない窓、二重扉にごついシャッター。

「なかなか住み心地のいいところだろう?」

「まあ、確かに住み心地は良い。でも、また何でシェルターに住んでるんだ?」

「この状況で聞くのかい?君も住んでいるようなものだろう?」

 居座っているような感じの僕には何も言えない。

「シェルターの方が安全だからさ。」

 何となくわかっていた。

「お前が神だからか?」

「君のためさ。僕は少しの間出てくるけれどここから出たらダメだよ?」

 そう言って彼女は壁をすり抜けて出て行った。僕をシェルターに閉じ込めて。

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