DAY14 目的

 その少年の繰り出す槍の突きに僕は剣を抜く暇さえなかった。この時は死を覚悟した。そんな僕を黄金の円が守る。

「僕の後継だと言っているだろう? 殺してもらったら困るんだよ。それで、何を話しに来たんだい?」

「そうだったね。ボクは君にボクの目的を話しに来たんだよ。」

「君の目的?」

「そう。ボクの目的。ボクはこの星、地球の神となり、生命を消滅させる。安心してくれ、全滅はさせない。」

 僕には少年が微かに笑ったように見えた。

「何か理由があるのかい?」

 彼女はいたって冷静に、しかし警戒は解かない感じで物騒なことを言うその少年に問う。

「もちろんだ、当たり前じゃないか。そもそも時間と言うものには限りがある、つまり有限なんだ。それを存在する全生命で均等に分けているんだ。それなのに存在する生命体は無秩序にその数を増やし続けている。そのせいで一日がこんなにも短くなってしまったんじゃないか。不必要に数を増やし続ける生命体にそれを認識させるためにDAYカウントを作ったんじゃなかったのかい? 他の誰でもない、君がね」

 少年はそこまで言うと用は済んだ、と言わんばかりに出て行った。

 彼女はこれについて反論することはなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る