DAY11 神

「ところでその剣はなんだい?」

彼女に言われるまで気づかなかったが、僕は夢の中で彼女の部屋の棚からとった剣を持っていた。

「なんだろうな?」

恐怖とは違う何か恐ろしいものに襲われた気がした。

「そうか、君も」

悲しそうに目を閉じ、彼女はこう続ける。

「神の選抜の被害者か」

彼女はそっと目を開ける。

「君のに見た円というのはこれの色違いかい?」

そういう彼女の横に金色の、僕の見た円と色しか違わない円が現れた。出ない言葉を振り絞って僕はこう言った。

「そうだ」

「だろうね。君が見たのは半分夢、半分現実だ。君のいう不思議な力というのはそれぞれ違うものだが、特徴がある。現実の世界でも行使可能、ということだ。この力はね“正夢”っていうんだよ。」

「なんでそんなこと知ってるんだよ?」

一番の疑問はそこであろう。

「それはね、僕が神だからだよ」

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