DAY10 幸と不幸

「少女ちゃんについて何か分かったことはあるか?」

「地球人じゃ無いらしい。本人の言ったことで、なんの証拠もない話だが」

 そんなことを急に言われても困る。彼女も呆れたって感じの顔をしている。

「そうか。他には?」

「そのぐらいだよ。そんなことより、君は夢を見ていたと言っていたね。どんな夢だったんだい? 覚えてる限りでいいから聞かせてくれないかな?」

 少女ちゃんのことも気になるが分からないのならしょうがない。それより夢の話を聞きたがるとは……とりあえずここは彼女の質問に答えるが……

「そうだな……みんな、俺の知っている人は不思議な力を持っていてそれを使って戦うんだ。でも僕は……いろいろあって戦いの最中、自殺した」

 彼女は一つ、ため息をついてからこう言った。

「自殺の夢は現状に満足していないために見る、と言われている。それで? 自殺は成功したのかい?」

「ああ」

 恐らくは、だが。

「それは良かった。夢での自殺の成功は幸せなことらしいからね。逆に失敗したら不幸なことと言われている」

「そう、なのか?」

「少なくとも僕はそう聞いている。ところで、不思議な力ってどんなのだい?」

「銀色の円みたいなもの以外何も覚えてないな……」

「そうか……」

 彼女は悲しそうにそう言った。

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