DAY9 確信

こいつらが能力を持っているということは僕たちを殺しにきたのだろう。

僕はこいつらには勝てないという確信があった。

それは明らかな能力の差だった。

それでもでも少女ちゃんを逃がすためには戦うしかないだろう。

僕には二つの力があると少女ちゃんが言っていた。

“意思”については詳しくは分からない。

僕の“想造”はハッキリと作りたいものを思い浮かべる必要がある。

恐らくあいつの“創造”はなんでも作れる。

しかも、もう一人の能力は未だに謎だ。

つまり、あいつらに出来て僕に出来ないことは沢山ある。

しかし、僕に出来てあいつらに出来ないことは恐らく無い。

僕は自分の負けを確信していた。でも、少女ちゃんが逃げるぐらいの時間は稼がなくては。僕の能力を奪われることも阻止しなければ。


僕は小型の銃を一つ創り出した。構造は知らなかったがそれっぽいものが造れたので第一段階はクリアだ。

「そんなものが当たると思うのか?」

「当たるね。ゼロ距離だからな」

微笑みながら答えてやった。

僕は銃口を顳顬に当てる。

自殺であれば僕を倒したのは僕自身。

能力が奪われることはないだろう。そう信じたい。

「少女ちゃん。僕の幼馴染のところに行くんだ。彼女なら何とかしてくれるだろう。じゃあな」

僕は引き金を引いた。



最後に見たのは少女ちゃんの泣き顔だった。

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