DAY6 心音
「君たちは何者かな?」
彼(僕の幼馴染)は突然現れた二人組に尋ねる。口調は変わらないが緊張しているのが僕には分かる。それも大事だが、突然現れたあの2人が高いところに浮いているので見上げるのがつらい。
「君には関係のないことさ☆ 僕たちが用があるのはもう1人の方さ☆」
二人組の片方がそういうと彼(僕の幼馴染の方)の上から白銀色の円が降りてくる。その円自体が発光しているのでよく見えなかった。光が消えたとき、彼のいた場所に彼は居なかった。居なくなっていた。
僕は恐怖と同時に怒りを覚えた気がする。僕の心音がやけに大きく聞こえる。
「僕の……僕の幼馴染に何をした!」
「君とお話がしたいからね☆ 邪魔されたくないからこの場から退場してもらったのさ☆」
「お前らと話すことは何もない。彼は無事なのか!」
いつのまにか大声で叫んでいる僕自身に驚きを覚える。
「無事だけは保証する」
今まで一言も喋らなかった方が答えた。
「どうしろっていうんだ?」
「話をしに来たっていってるだろう☆」
「話とやら、聞くだけ聞いてやる」
今更だが強気で出なくては。威圧されてしまう。気圧されてしまう。
「それはありがたい☆ この2人で君を守れと言われている☆ だから守りに来た☆ さっきの黒炎のような参加者は殺す☆ 君にとっても悪くはない話のはずだ☆」
「お前らが参加者で僕を殺すために近づいてきたということも考えられるぞ?」
「これでいいか?」
無口の指す方を見ると彼(幼馴染。この注釈もいつか不要になれば楽でいいのに……)がいた。
「お前らは一体何者なんだ?」
「この2人組、神だったものの付き人、過去の選抜の生き残りだ☆ 君を殺すことはできても参加者じゃない限りメリットがない☆」
彼と合流してこの2人組についてどこまで信用できるものか相談した。僕もまだ混乱していることもあり今回は帰ってもらうことにした。考える時間が欲しいというわけだ。
その旨を伝えるとこれといった反論もなく帰っていった。白銀色の魔法陣で。
「また、君が死にそうになったら来るよ☆」
だそうだ。
あのとき、僕は死にそうだったのか、と思うとぞっとする。
今日は、彼とも別れ帰ることにした。
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