Day1 ボク

 ボクはとある惑星に生まれた。

 初めて生まれた。

 他に何も無い。

 この世界にはこの惑星以外何も無い。

 ボクが生まれた時にはこの惑星はあった。


 だがその考えは違った。

 ボクがここにこの惑星が在ると確認したからここにこの惑星が在り、この惑星上にボクが居るからボクはここに存在出来る。

 ボクとこの惑星は“一体”なんだ。

 どちらかがどちらかの存在を確認出来なくなったら、もう片方も存在出来なくなる。

 それに気づいた時、ボクは無数に分裂した。


 互いに確認し合う仲間が増えたのだ。

 互いに監視し合う相手が増えたのだ。


 この惑星で分裂したことは間違いだったかもしれない。

 ボクの仲間はボクを、この惑星を滅ぼそうとしている。


 数が増えすぎたのだ。

 数が増えすぎたから争いが生まれたのだ。

 個体を個々で見ても弱くなった。仲間がいないと自己主張すらできない個体が大半になってしまった。


 つまり、増えすぎたのだ。

 増えすぎた個体は減らすしか……無いのだ。

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