DAY6 占い
「僕の外見的特徴ってなんだい?」
彼女の言うことは、特に思いつきで言っているような、あまり考えて言っていないようなことは、あまり反応しなくててもいいらしく無反応でも彼女はなんとも言わない。それに僕に意見を求めているのならば彼女は再び僕に問う。
しかし、今回は明らかな疑問符付き。答えないわけにはいかないだろう。
「ストレートロングヘアーとかか?」
彼女の髪の毛先に近い方は軽いふわつきがあり、それを一概に“ストレート”と称していいのか甚だ疑問ではある。しかしその辺に疎い僕が安易に答えて変な印象をつけられても困るので今回は“ストレート”でいいだろう。ゆるふわストレート? とか思わないでもないが、それはどこか矛盾している気がするしまぁ、良いだろう。
「じゃあ、僕の内面的特長は?」
今日は僕も彼女もガレージ、と思われているであろう場所にて各々の思うことをしている。僕がなにをしているのかはどうでもいいとして、彼女は床に座り込んで本を読んでいる。そんな姿を彼女を知らない人が見たら彼女の性別を勘違いするかもしれない。それはあくまで座り姿が、であって髪の長さなどを考慮すればまずないであろうが。そんなことを思いつつまたしても疑問符付きの、いわゆる質問なので僕は答える。
「僕っ子。あとは、いつも澄ましててどこか見透かしているようなところ?」
僕自身何を言っているのかは分からない。そもそも僕っ子というのは内面的特徴に入るのだろうか?
「僕のイメージカラーは?」
「濃くて明るい紫。」
僕は思ったことを言っているのだがこれは果たして何色なのだろうか?
「そうか……」
「さっきっから一体なんなんだ?」
「いや、なんでもないよ」
後々彼女から聞いた話。
彼女は雑誌だか何かについていた占いをしていたらしい。付録の占いにしてはレベルが高いというかそんなようなことを思わなくもないがそこは置いておこう。彼女が何を占っていたのか聞いてみると、
「人には他人に知られたく無いこともあるんだよ?」
といった具合に教えてはくれなかった。推測にもなってない推測をするに、占いのために“自分のこと”を僕に聞いてきたということらしい。聞かれっぱなしというのも損した気分、にはならないが、機会があれば同じ質問を僕から彼女にしてみようと思……わないな。暇つぶしくらいにはなるだろうか?
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