ブレードランナー2049を観たよ〜レプリとAI

こんにちは、ミサです。

今日も辛口で映画を語ります。

ネタバレは、ないと思います。


はい、新ブレードランナーです。

SF映画の革命であり金字塔といわれる旧作の、続編。

旧のほうを観ていなくとも、問題ない作品だと思います。

が、できれば観ていたほうがいいでしょうね。


でもね、観てない人のほうが新作を高く評価するかも、とも思います。

なぜなら、基本的に旧作と同じだからです。

数十年前の映画のアップデートだと思うからです。

「OS10.6」が「10.7」になったような。


じゃあ、新と旧の違いはどこなのか。

あたしが思うに、人工知能。

AIだと思う。


ん?

レプリカントだって人工知能じゃないの、って?

ノンノン。

レプリは生きた細胞でできた生き物です。

合成された人間です。

機械ではないのです。


ん?

機械だって、人間そっくりに作ったらレプリカントと同じだろう、って?

ノンノン。

あたしが思うに、レプリカントは人間を模しているの。

でも機械に制限はないわ。


え?

今作の主人公のパートナーはAIで(ジョイ=演アナ・デ・アルマス)、あれは人間を模しているじゃないか、って?

もちろん、人間のように会話ができるし、3D映像では理想的にかわいい姿を見せることができるわね。

けれど、それはAIの能力の一部分。

映画ではごくごく限られた能力しか描かれていない。


でも、とにかくAIが登場したのよ。

レプリカントという「もうひとつの人間」と、機械という「人間ではないもの」がともに舞台に上がった。


はい。

何がいいたいのかというとね。

旧作では、


「人間そっくりなら人間なのか」

「なにを人間とするか」

「人間とはなにか」


というテーマだったと、あたしは思うわけ。

それは新作でも全く同じ。

けれど、今回アップデートされて、そこにAIという機械が加わった。

ものすごく重要なテーマが現れたの。

なのに、この映画ではレプリもAIもいっしょくたで、AIへの問題提起も新解釈もないと思うわけ。

あるいはAIの本当の問題をスルーしてる。


あたしはね。

AIはレプリカントよりも難問だと思うの。

持ってる力が人間やレプリカント以上なの。

やつら地球全体でネットワーク組めるんだから。

1億年分の思考を瞬時にやってのけるんだから。

太陽系に生まれた、人類の次を担うかもしれない新しい存在なの。

真の革命なの。


なのに2049では脇役になってしまっているのよ。

あたしは、そこが強烈に不満。

もちろん、この映画、AIが主役じゃないからしょうがないんだけど。

けど、人間ってナンだ? と疑問を持ったとき、AIを掘り下げなきゃダメよ。


今回はリドリーじいさんは監督じゃなくて、制作総指揮ってことなのよね。

彼にどんだけ権限があったかは分からないけど、もともと彼の描くAIは、いつもイマイチ。

エイリアン・コヴェナントのAIも類型的だったわ。

いいかげん、もう巨匠と呼ばれる立場なんだから、もっと革新的なAI観を打ち出してほしい。

みんな、それを望んでいるはず。


というわけで、ブレードランナー2049、みなさんに観ていただきたい映画。

それぞれの考えを巡らせてほしい作品です。

AIことをスパッと切り捨てたから、シンプルで筋の通った作品になっていると思います。

アップレートではありますが。


辛口ミサでした。





PS:瀬夏さん情報によると、その昔、池袋文芸座でオリジナルが上演されていた当時、リドリー・スコットはすでに「巨匠」と紹介されていたとのこと。

エイリアン第1作目で有名になったからだと思われるとのこと。


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