第3話 一歩
その火のぬくもりが、いつの間にか、今の幸せはもともと側にあったものだと思い込ませた。
夢と現実の狭間で幸せを感じている僕は、1つ間違えばまた独りになってしまうから。だから、このぬくもりを一生育てて歩こう。
ってあの瞬間、誓ったのに……。
「壮馬!放課後、ぼくの家でゲームしない?」
「………。」
「ねぇ、聞いてる?」
「………。」
「そーまぁーー!」
「うるさいんだよ!!
毎日、毎日!どうして僕に話しかけに来るん
だ!」
言ってしまった。言ってはいけない言葉を。
この先何が起こるか簡単に想像できたのに。
次の日も晃は声を掛けてこなかった。当たり前だ。あんな言い方をした僕に声なんて掛けたくないに決まってる。
その上、晃は独りだった。やはり僕と絡んでいたせいだろう。
(僕は最低な奴だ!僕がまた独りになってしまうから?自分のための感情だけで晃と接しているからこんなことになったんじゃないのか?
僕が裏切った。僕が晃を過去の僕にした。
独りの辛さが分かっている僕が……。
どういう顔で、声で、言葉で切り出せば良いんだろう……)
と、自分を責めて悩むのは終わり。
前までの僕ならもっと長く悩んで、もっと長く晃を独りにしていたと思う。
だけど今の僕は少し違う。
あの時、晃が僕を救ってくれた時と同じ。
いや、それ以上の答えを今は知ってるから。
あとは、ほんの少しの勇気で
【今すぐ】
行動するだけ。
その一歩が、火を灯し続ける大切な一歩になるから。
呼んで…。 月夜 美穂 @poni_8
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