第一章10 『カグラの黒歴史』

 空にはまんまるのお月様が煌々と光っている。

 二人はカグラと別れたあとに、

 馬鹿話をしながらウィンドウショッピングしたり、

 スゥイーツをたべたりしながら過ごしていた。


 本当に兄弟のように仲のよい二人である。

 そんな二人も歩きつかれたのか海が見える海岸沿いのベンチに座り、

 二人がカグラと出会った時の出会いのきっかけについて話だす。


 静まり返った夜の中で潮騒の音と、海風のにおいが二人を包む。


 この二人の会話は、カグラは思い出しただけで赤面してしまう、

 彼の中で黒歴史として封印したい思い出の一つだ。

 そんな黒歴史ではあるが、彼女達にとっては記憶のようで………。


「そういえば、セレネとカグラはどうやって出会ったにへ?」


「ワタシが商品として陳列されていた時に商品と目があいまシタッ。それがワタシとカグラの初めての出会いのきっかけデスッ」


「セレネは一体どんなお店に陳列されていたにへ? 戦闘用バディロボットとかのお店にへ?」


「いいえ、ちょっとだけ言いズラいのデスが………いわゆる、カグラとワタシの出会いは大人のオモチャ屋サンでした………」


「おう………あの男、本当にしょうもない奴にへ」


「まっマァ……男性にも生理現象があるノデ仕方が無いことデス……」


「それで、その後はどうなったにへ?」


「光栄な事に一目ぼれだったらしく。即決で手を繋いでレジまで連れて行かれました。そして……そのママ……カグラさんの宿に連れて行かれて………」


「宿に……連れて行かれたにへ……か…?」


「そしてベットに押し倒され、犯されソウニそうになりまシタッ」


「あの野郎………いまからブチ殺しに行くにへっ!」


「落ち着いて下さい。ソレイユ。カグラさんにも誤解があったようで、セクサロイドについて根本の誤解があったようで、そもそもセレネに人間らしい感情があるとは思っていなかったようデスッ」


「宿に行く道すがら、カグラと話す機会はあったんじゃないにへぇ?」


「基本的にセクサロイドは無口キャラが好まれマスのでおとなしくしていたデス」


「……無口キャラが好まれる、ね。なんだか、セレネっちも前世は大変だったのが想像できるにへ。その辺りは……あんまり詮索しないにへ。お互い大変だったということにへ」


「ハハハ……。まぁそうデスね」


「そんで………カグラとの初体験はどうだったにへ? ぶっちゃけ興味深々にへ」


「ベットに押し倒されて、ひとしきりおっぱいを揉みしだかれた時に、ワタシが恐怖から思わず泣いてしまったのデス……。セクサロイド失格です。そしたら、逆にカグラは絞め殺された鶏の断末魔のような悲鳴を上げながら部屋から逃げて行ったデス」


「………さすがにビビりすぎにへ。とんだチキン野郎にへ………」


「当時のカグラは、セクサロイドに感情があることを知らなかったみたいデス。ましてや双方向のコミュニケーションが取れるとは思っていなかったようです。相当うろたえていたようで、今思いだすとあのカグラの顔がおかしくてオカシクテ……ぷぷぷ」


「その話だと、カグラとセレネっちはえちえちなことをまだしていないように聞こえるんだけど………ぶっちゃけその辺どうにへ?」


「あの一件以来、カグラからのアプローチはありませんデス」


「にへにへ~。それで、その後どういう経緯でカグラと組むようになったの?」


「ワタシはしばらくはニートしていたので、カグラが飲食店のホールの仕事とかを手伝って、ワタシの分の食費や衣類のお金を稼いでくれていたデス」


「最初の分のマイナスと、その後のフォローのプラスで差し引きゼロ。ほーんとどうしようもない奴にへ………」


 一旦間を置いてソレイユが、セレネに質問を投げかける。


「それで、セレネっちは、次にカグラから最初に出会った時と同じように押し倒されたらどうする………にへ?」


「フフフっ。それは………ないしょデス」


 手を上に伸ばして伸びをして、今度はセレネが質問をする側に回る攻守逆転である。


「そういうソレイユこそ、カグラとはどうやって知り合ったデスか? カグラのことですから、やっぱりソレイユが悪い人売りに連れ去られそうになっている瞬間に颯爽とあらわれて助けてくれたりデスか?」


「………いや、普通に出会いは奴隷娼館にへ。あいつマジで終わっているにへ」


「それでカグラが最初に交わした言葉は?」




「ボクは最初はカグラと話していないにへ。ただ、奴隷の店のマスターにカグラが注文をしている声は聞こえていたにへ。一番最初に聞いたカグラの声はこんな感じだったにへ………」



《以下回想》

******



『………っまず当然店長も理解していると思うが身長は140センチ以下であることが最低条件だ。これは全宇宙の全種族共通の理想的かつ健康な成人女性の身長であり、もはやこれは聖闘士にとっては常識っ! もっと言うならば135センチ以下である事が望ましい。身長と矛盾するようだが、バストはCカップ以上、否――Dカップ以上であることが望ましい。低身長でありつつもおっぱいがあるというパラドックスによって生みだされる奇跡のハーモニー。巨乳ロリはいわばその存在が矛盾する存在対消滅の危うさを孕む諸刃の刃。あっそういえば『孕む』という漢字があまりにもネット上で使われるようになったせいで、孕むという漢字が漢検1級から2級に格下げされてしまうというじゃないか。おお勇者孕むよ降格してしまうとは情けない。そう、以上で説明したように巨乳ロリというのはもはや、つまり最強の鉾と最強の盾を持つという矛盾を内包する最強戦士! 例えるならば右手にエクスカリバーを持ち、左手にアイギアスの盾を構える最強の戦士。もちろんその武器と盾を持つのは銀髪巨乳ロリだである。もはやその強さは天元突破! スカウター如きではその戦闘能力は計測不可! アンチスパイラルだって宇宙怪獣だって怖くない! 我々の業界ではこれはもはや一般常識の領域。入社試験でもSPIと共に出るそうだから必ず履修するように! まぁ…………俺は無職だったから一般常識もSPIもWebテストも一切関係ないことだったがなっ! そうだなぁ、太ももはちょい太いくらいの方が肉感があることが望ましい。カモシカみたいに細い脚はNGだ。ある程度肉感のある太ももがあるからこそ、黒色のハイニーソックスに食い込む太ももの魅力が栄えると言う物だ。太ももと絶対領域はセット販売、単品売りは不可能だから気をつけよう。なおかつ、太ももの肌感についてだが、思わず頬ずりをしたくなるようなすべすべの生足であることが望ましい。あたかもそれはジョジョ第四部の吉良吉影が片手に頬ずりをしながら興奮するようにだ。これらの条件は………まあ言わなくても分かるとは思うが、最低条件………絶対に外すことはできない必須条件だ。ちょい肉感のある太ももを愛せない健康な成人男性は全並行世界を探してもいない。いやたとえいたとしても、この俺が認めない! あとは、髪は長くて艶やかで思わず、むしゃむしゃとヤギのようにむさぼり食いつきたくなるような絹のようななめらかな髪であることが望ましい。髪は漢字にすると長い友と書く、ぶっちゃけ《彡》の部分が何を指すかは永遠の謎だ。あれだな女子高生とかが使う流れ星的な《☆彡》の一部と考えれば良いだろう。つまりだ、髪は流れ星に願いを祈りたくなるくらいの長い友達だということだ。それを軽視するとは笑止千万。もはや説明は不要だと思うが念のために説明しよう………髪の色はプラチナブランドであることが必須であるっ! 色の配色によっては銀よりも白っぽく見えたり、薄青っぽくみえたり、薄紫っぽく見えるのも全て銀髪に含まれる! これは男性の90%以上が所属すると噂される銀髪ロリクラスタ界隈では常識中の常識。もはやそれは教義といても良いだろう。料理で言うところの『さしすせそ』というレベルの初歩段階の話だ。いわゆる銀髪のロリキャラの歴史は古くは機動戦艦ナデシコのルリルリから始まり、ノーゲームノーライフの白の銀髪、はては約1700万の超大人気ラノベ小説禁書目録のメインヒロインであらせられるインデックスさんだって銀髪だ。もう誰にもインなんとかさんなんかとは呼ばせないぜ。更に更に現在劇場で絶賛放映中Fate/stay night [Heaven's Feel] ?.lost butterflyのイリヤスフィールに至っては完全な合法の銀髪ロリ。なおかつイリヤスフィールは士郎とは血の繋がりがないという合法かつ倫理的な問題をクリアしている設定である点も見逃せないであろう。更に、血の繋がりが無い銀髪ロリ美少女という点では『エロマンガ先生』の和泉 紗霧も外せない。前作の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のラストの描き方で賛否両論天下分け目の関ヶ原的評価を受けたことから、本作では兄弟でありながらも倫理的に恋愛をしても問題のないという、血の繋がりのない義理姉妹設定を採用することによって、ヒロインかつ妹という矛盾を完全にクリアしている点も素晴らしい。合法かつ背徳、遵法かつ純愛。この両輪をささえる絶妙な設定。さすがは前作の発行部数500万部、今作の販売部数120万部の超大人気作家の名は伊達ではない!! そもそも古事記まで遡ればイザナミとイザナギは兄弟にも関わらず小作りをしているという歴史がある。この点から考えても日本人のDNAの中にはやはりそういった需要が潜在的に存在していることは間違いないと断言できるのである。文句はある奴は俺の前に出ろ、36時間延々と妹萌えの素晴らしさについて体に叩き込んでやろうっ! もっと言うのであれば、リゼロのエミリアたんも17歳、姿かたちは見目麗しい成人女性そのものではあるが…………だがよく考えろ、精神年齢は完全に幼女! 人間に限定しないのであればメイドインアビスのナナチだって長髪かつ銀髪だ。ああナナチかわいいって………なんか劇場版の作品にボンドルド先生出るらしいじゃないですか? いろいろ大丈夫なんでしょうか? 映画と言えどもあの描写はなかなか際どいでも期待したい。あとメイドインアビスのつくしあきひと先生は完全に性癖丸出しで作品を書いているところに好感を持てる作者である。………あとはそうだな、劇場版まどかマギカの百江なぎさだって銀髪ロリだ………おまけにプロフィール欄に年齢を明記しない遵法仕様よってCEROのA判定だ。大丈夫だ………まだまだあるぞ、俺を信じろっ!! 言ってみれば今の俺はハーメルンの笛吹だ、つまりみんなは俺に付いてくれば間違いない! きっと至れる白銀ロリっ子だけの桃源郷!! 付け加えていうならばだな、2019年に新作劇場版がでるコードギアス 復活のルルーシュ。そのアニメに出てくる天子様。あれも完全なる白銀ロリだ。ただし年齢は9歳触れるな危険! YES!ロリータNO!タッチ。触るな危険! 混ぜるな危険! 我々のような銀髪ロリクラスタの人間から言わせるならば、天子様は確かに美しいだが、同時に爆発の可能性を秘めた危険物。取り扱い注意! シンクーが羨ましいからって永続調和の契りってなんだよこのロリコン野郎とかいっちゃ駄目だ。アイツは銀髪ロリを手に入れる対価として不治の病というハンデを背負っている。そこ! 死ぬ死ぬ詐欺とか言うな! まぁ、要約するとだな、もはやこの世の構成要素の100%は銀髪とロリによって支配されているといったって過言じゃない。人間の構成要素は水35L、炭素20kg、アンモニア4L、石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、イオウ80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素と言われているだろうが本当であろうか? この世の全てを疑え! 真理はそこにある。我々のように真理にいたった者にとっては人間の構成要素は銀髪50%とロリ50%の二つの素材で完成されている。…………つまりだ、店長のおっさん。おっさんの体も銀髪とロリで構成されているんだよ。そう思うと勇気が湧いてくるだろ? 生きる活力が湧いてくるだろう? あと店長もご存知の通り人気ラノベ作家の金髪ロリ文庫先生という方がいるな? テイルズ・オブ・西野という傑作を書いている作者だ。 確かに金髪ロリ文庫という作者の名に恥じない素晴らしい金髪ロリキャラを排出している。その名は金髪ロリことローズレープマンというキャラクターだ。劇中で一部の女子学生から金髪ロリと陰口を言われているがよく考えれば愚かで無知蒙昧なる下賤な黒髪女子共のひがみだ。銀髪ロリが賞賛の言葉であるように、当然ではあるが金髪ロリも賞賛の言葉なのである。金髪も銀髪も女性にとっては最大の褒め言葉といって間違いないであろう。更にいうならば、金髪派と銀髪派はお互いの力を認め合っている。うみねこのなく頃ににおてマリアはマリアージュ・ソルシエールの条約の一つにて銀髪と金髪派相互不可侵、不干渉という条項があるくらいの常識である。銀髪派と金髪派は互いの髪の色を尊重し合わなくてはならない。相手の髪の色を否定するような事を言ってはならないということがマリアージュソルシエールの第108条項目に記述していることからももはや完全に金髪ロリと銀髪ロリは同盟関係を結んでいると断言しても良いだろう。そう、金髪派の君も、銀髪派の俺もお互いを尊重し互いを高めあう同士だ。そこに境はない。だから俺は銀髪ロリ文庫であり金髪ロリ文庫でもある。まあ銀髪の方が優れ…………よろしいっ! 理解していただいたようなので次の授業に進もうじゃないか! ご注文はうさぎですかというアニメは知っているか? あのアニメに出てくる人気キャラのチノだって、一見髪の色は薄青色に見えるが………よーく見てみよう。ほら、チノちゃんは日光の下で光に当たっているシーンはほぼ銀髪。つまりはごちうさのチノちゃんですら銀髪ロリキャラに含まれるのである。実年齢は関係ない。銀髪かつロリっぽく見えれば銀髪ロリキャラなのである。エヴァンゲリオンで碇ゲンドウが実施しようとしていた人類補完計画も、実は人類総銀髪ロリっ子計画だったのではないかと噂されている。これは死海文書にも、ヘルメス文書にも記されている圧倒的な事実である。この説は銀髪界隈の中では常識だ。さて次は顔に移ろう。顔は童顔系だけど普段は元気っ子、だけど時に憂いを感じさせることもある顔であることが望ましい。この陰と陽の二つの表情を使いこなすことができるのが銀髪ロリっ子の特性であるともいえるだろう。銀髪の時点でなんとなく薄幸っぽくみえてすでに憂いを帯びている。なら、そんな女の子を幸せにしてやりたいと思うのが大和男児というものだろう?! なあ店長! これも、店長ほどの人間であれば言わなくても理解していると思うが、目の色は碧眼であることも重要だ。翠眼も良いな、それにオッドアイだって捨てがたい。あああ悩ましい。銀髪ロリには全てが似合うのだ。例えばギャラクシーエンジェルという作品の中にヴァニラ・Hというキャラがいるだろう。イラストによって薄緑だったり、白髪っぽかったり、銀髪っぽかったり安定しないが、それもひっくるめて銀髪と定義しよう。何しろ人間の構成する要素の50%が銀髪なのだからこの理論が適用可能だ。ギャラクシーエンジェルの原案者である水野良先生はもっともヴァニラ・H(13歳)という銀髪キャラが好きだったということからも銀髪の素晴らしさと恐ろしさが分かるだろう。そうだ、この世界は銀髪ロリに支配されている。年齢は結婚可能な合法の範囲内だけど一切それを感じさせないようなロリロリしい幼女風の少女であること。やはり昨今は条例等の取り締まりが厳しいことを考えるに、その辺りは重視していこうそれからそれからまだまだあるぞおおおおおおおおおおおおっ………………………!!』………って、超早口でまくし立てていたにへ………」


《回想終了》

******




「………あはっはははははHAHAHAHAHAHAHAHAAAAAAAA」


「カグラの性癖がやばすぎて……セレネのIMEがぶっ壊れたにへ」


「それで、ソレイユはカグラに買われたという訳ですね」


「そうにへ」


「奴隷契約をした後は、ソレイユはどうしたんデスか?」


「大人しくカグラと一緒に宿に向かったにへ。当時のボクは無口キャラを気取っていたので、カグラの手の引かれるまま海の見える波止場に連れていかれたにへ」


「………それで、カグラさんはどうしたですか?」


「カグラは、自分の身の上話的なことを脚色してロマンチックな雰囲気を作ろうと一生懸命頑張っていたにへ………そして何を勘違いしたのか、ボクの事をハグして………」


「………ハグされて、それから……?」


「タコみたいなヒョットコ顔でチューしようとしてきやがったにへ。ムカついたから海に蹴り落としてやったにへ」


「あらま………。カグラさんとはその後は何もなく?」


「あの一件があってからは、去勢されたように大人しくなったにへ。たまに性的な視線を感じることがないとは言わないにへがもあ、生理現象と思って諦めているにへ」


「………ソレイユさんは、今カグラさんが同じように抱きしめてきたらどうシマスか?」


「にっへへへへ。ボクもセレネと同じようにナイショにへ~」


「ソレイユはイジワルデス………そで、それから先はどうしたデスか?」


「………あとは、セレネっちのご存じの通り。先にカグラの家でニート生活を満喫していたセレネに、合流して、カグラの家でニート生活をエンジョイしていたにへ。ボクの分の生活費を稼ぐために、一時期は昼の飲食店のバイト以外に、夜間の警備兵の仕事もしていたにへ」


「カグラが夜間の警備兵とは、治安的に大丈夫なのでしょうか? ムシロ街の治安が乱れる気がしないでもないのデスが………まぁ、仕事は真面目にする方なので大丈夫デスかね?」


「今も楽しいにへが、あのニート生活はあれはあれで楽しかったにへ。カグラのいない間に二人で馬鹿話とかして過ごしていたにへ。異世界に転生してこれて本当に良かったと思えた時間にへ」


「………そうデスね。ワタシも同じです」


「それにしても話を総合すると………あれ、にへね」


「ええ………そうデスねっ」


「「カグラは絶対に童貞デスにへ」」


 二人は、夜空に浮かぶまんまるなお月様を見上げて当時の思い出に浸っているようだ。


「今日、二人で買ったカグラへのプレゼント喜んでくれますでショウカ?」


「にっひひひひ。きっと、大丈夫にへ。カグラならなに上げても喜ぶにへ」


「そう……デスね」


「明日は、ギルドに行く日。もしかしたらそのまま討伐へGOなんって流れになるとも限らないにへ。だから、今日はお互いゆっくり休むにへ」


「そうデスね。夜風も寒くなってきマシタし、一緒に帰りまショウ……」


 二人は仲のよい姉妹のように手を繋ぎながら、

 一緒に宿に帰って行った。二人の頭上には、


 煌々と綺麗なまんまるなお月様が輝いていた。

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