3-5
「お前さん、ここで働いていたのかい。」
ゼブラは尋ねた。
「あれ?言ってませんでしたっけ。ここで司書をしているんですよ。」
司書は答えた。ゼブラはこの司書のことを気にかけていた。もちろん恋をしていた訳ではない。司書は一人なら一週間分ある食材を買ったと思ったら三日後にはまた同じ量を買うのだ。
お金は大丈夫なのか心配していたのだ。実は良いところの侍女で、買い出しに来ているのかなと思っていた。というかそれしか納得いかない。
「そうなのか。言いたいことはあるが、まあいい。それより何のようだ。」
「いやぁ、何かお困りのような気がしまして、何かお手伝い出来ればと思って声をかけたんですよ。」
司書は内心びくびくしていた。何か悪いことしたかなぁ、お肉買えなくなると嫌だなぁと思っていた。食い意地が張っている。
「なら、引き留めるがいいか。」
「いいですよ。そんな急ぎの用事もありませんし。」
司書の言葉は嘘ではない。ただ、いつもの人だかりは本を読むのでもなく、カウンターにたむろしているので他の職員は早く戻ってこいと思ってはいるのだが。
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