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図書館は昔からある施設だ。昔の領主様が「学問こそ発展の基礎なり」と言って税金をふんだんに使って造ったとかそうじゃないとか。
もちろん反対意見はあった。それもそうである。今では発展して豊かになったが、昔はその日暮らしの住民も少なくなかった。その人々の支援に回せという声が大きかった。
ゼブラもそう言っていた一人なので図書館には少し抵抗があった。結果として領主様の考えは正しかったのでどういう顔をして入ればいいのか。ちょっぴり恥ずかしかったのだ。
50銅イェンを払って中に入る。中は清潔感で満たされていた。そろそろ30年経つだろうに、汚れは余り目立ってない。ゼブラは職員の働きに賛辞を述べたかった。
とはいえ、図書館は本を読む場所だ。悩みを聞くところではない。とりあえず、新聞を手に取る。活版印刷技術はまだ発展していないので紙は大切なものだ。新聞なんて庶民は簡単に取れないのだ。
「あっ、肉屋のおじさんじゃないですか。お久しぶりです。」
とある人物が話しかけてきた。司書である。いつもの司書だ。
この司書はよく商店街を利用している常連の一人だ。仕事のことは聞いていないので、ゼブラは司書がここで働いているのは思いもしなかった。
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