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ある日のことである。ゼブラの元にとある冒険者がやって来た。名をブレイクという。孤高の冒険者であったが、パーティーを組んで龍殺しを達成したあのブレイクだ。


ブレイクはこの商店街を昔から利用していた。貧しい修行時代は廃棄を貰い腹を満たしてくれたし、宿に泊まる金が無いときは部屋を貸して貰っていた。


その恩を返そうとブレイクはこの商店街を今でも利用している。


「おっさん、元気ねぇな。どうかしたのか。」


ブレイクは心配そうにゼブラに尋ねた。世間では一匹狼だの、冷たい奴だとも言われていたが、最近はコミュニケーションを取るようになってその印象もなくなった。


そんなことはこの商店街の人々は昔から分かっていた。優しい人物だ。そう昔から分かっていた。


「いやはや、お前さんにはかんけぇねぇよ。心配かけちまったな。」


ゼブラはそう返した。冒険者組合で取引した方が儲かるのにブレイクは未だにここで素材の売り買いをしている。


それだけで十分だった。与えた以上を返してくれている。しかも、ここで育った若者が有名になっている。商店街の人々にとって彼はは誇りであった。


「そうか。悩みがあるんなら図書館に行ってみたらどうだ。ヒントがもらえるかもしれねぇよ。」


そう言ってブレイクは去っていった。ゼブラの元にはワイバーンの肉が置いてあった。もちろん取引はした。



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