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「大変お待たせしました。こちらの都合で申し訳ありません。」


司書は90度のお辞儀をして謝罪を述べた。ブレイクは冒険者界隈では尊敬される立場ではあるが、世間一般的に冒険者は馬鹿にされやすい。そんな冒険者であるブレイクに頭を下げてくるこの司書に驚きを隠せない彼であった。


「大丈夫だ、問題ない。噂の司書は君か。」


「はい、そうですね。噂を聞いているのであれば話は早いです。本をすぐに持ってきます。」


そう言って司書は何処かに消えた。ブレイクはまたも驚いた。まさか本当に一目見ただけで求めている本が分かったのか。そう驚きを隠せなかった。


「はい、これですね。袋をお貸しするので返すときにはこの袋も忘れずに持ってきてください。」


「―――凄いな。君は。」


革袋の中身を確認したブレイクは驚きで言葉を失っていた。『一騎当千 』かつてスタン・ピート(モンスターの大量発生。時に国を滅ぼすこともある)を一人で抑えたブレイクをこんなに驚かせたのはこの司書だけであろう。


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