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そんなところに件の噂がブレイクの耳に入ったのである。嘘か真か分かりはしないがその司書は一目見ただけで相手の求めている本を用意してくれるらしい。


冒険者は野蛮で低俗的と思われがちだが意外と教養のある者が多い。というか、読み書きすら出来ない者でも懐が暖まりだしたと同時に教養の大切さを身をもって分かり出してそちらの勉強を始めるからである。


よって冒険者はそこまで高度な学力はないが、読み書きは出来るし、簡単な計算は出来るようになる。


ブレイクもその一人であるため、本を読むことくらいは出来る。ただ、恥ずかしい。『一騎当千』が今さらコミュニケーション本を借りるのは、それを知り合い(顔見知り程度ではあるが)に見られるのはすこぶる恥ずかしい。


しかし、己の向上心と羞恥心を天秤に掛けたところ向上心が勝ったため、ブレイクは図書館に行ってみることにした。

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