第5話

 まあ、自分の居る場所だけが特別なはず無いよな

 では、俺が今居るこの洞窟は一体なんなのか?

 一寸勇気を出して洞窟を出て外から眺めて見た


 左右にずっと壁が続いている

 上も果てが見えなくらい高い…これは、あれだ

 遠くに見えてたでかい柱と同じ奴だわ


 遠い奴は真っ黒く見えるけどこれだけ近いと別に真っ黒なわけではないとわかる

 それに、表面もでこぼことしていて何処と無く生物的だ

 ただ、脈打ったりはしてい無いのでそれほど気持ち悪くは無い


 柱の直径はわからないが周囲を適当に廻っても簡単に一周出来るような大きさではないことは分かった

 それと、表面のでこぼこだがそれとは別に大きな段差のような部分があり、それをよじ登っていけば上に登っていけそうだ


 と、そろそろ腹が減ってきた

 もうそんな時間か、チューブは食料兼、飲料だと思って良いみたいだ

 俺の身体は問題なく動くので、またチューブをひと舐めして栄養補給しておいた


 その後、柱を登るか、横方向に調査を進めるかで少し悩んだが、高いところに登れば見えるものも変わるかもしれないと思いつき、登れるところまで登ってみる事にした

 途中何か発見があるかもしれないしね


 持っていくものは背負った突撃銃と6本のチューブのみ

 とはいえ、突撃銃はスリングで背中に背負えるし、携行食のチューブはズボンのポケットに入れることが出来るので邪魔にならない


 そこで初めて気が付いたんだが、俺裸足だった

 今のところ足に刺さるような物は無いので特に不自由は感じないが、せめて靴下くらいくれよ…

 そう思いながら柱の段差に手をかけ足をかけ登る

 登り始めて少し、ゴムの上を歩くような足の裏が吸い付いている感触があるので靴下は無くて正解かも? と、どうでも良いことを思った

 段差の歩けるスペースは結構広く、狭いところでも1m位は有り、広いところは3m程もあったのでそれほど登るのに困難は無い

 だが、これ高所恐怖症だったら地獄だったろうな


 ある程度登ったところで周囲を見渡して見たが、地上から見た景色とさほど違いが感じられない

 何もかもが異常な風景なので距離感が馬鹿になっている所為かもしれない

 相変わらず変な記号にしか見えないなにかが一杯視界に入ってくるが、それらが俺を襲ってくると言うこともなかったので無視して登っていく


 登れば新しい発見があるかと思ったが、特に何も無い

 もうかれこれ登ったが視点は高くなった筈なのに横方向の景色に変化は感じられない

 うーん、天辺まで登れば何か変わるだろうか?

 段々嫌になって上を見上げて気が付いた

 途中から色が変わってる


 そりゃそうか、ブロックだらけの世界にまっすぐ柱を立てればブロック貫通するわな

 境目が真下から見るとどう見えるのか一寸興味がわいてきた

 そこで、登り始める時もっと足元良く観察しておけば下にもブロックがあったんじゃないかと思いついたが今更だ


 とりあえず、区切りを付けるためにもブロックの境界までは登ってみよう

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