第2話

 嫌な予感はしていた

 自称神と言葉(?)が通じたので少し油断したようだ


 何だここ…


 洞窟の出口から恐る恐る観察した外の世界は悪夢のような場所だった

 地面はでこぼこで、そこには文字記号みたいな奴らが動いてる。 ωとか Ωとか しかもでかい。 俺と変わらないくらいのサイズの文字記号っぽい何かが一杯


 かなり遠くには人工物っぽくない黒い柱が不規則な間隔で屹立している

 俺に理解できる比較対象が無いので大きさは良くわからないがその柱一本一本がとんでもなくでかいと言うことだけはわかる


 空も似たような感じで Wとか Φみたいな奴が飛んでる。 見える範囲に雲は無いし、太陽も見えない。 なのに上の方は明るい。 最初に目覚めた時の天井のような感じの明るさだ。 ここではこれが普通なのか?

 あと、空を見上げて気が付いたが、途中から空間に色が着いていて色つきの巨大な立方体を構成していた


 大きさは…手前に見える平面部分しか分からないが一辺だけでも何キロか有りそうだ。 もし、奥行きが同じくらいあるならとんでもないサイズだろう

 まるで馬鹿でかいゼリーのようだ


 その巨大なゼリーは何色も存在していて、色の違いに何かの意味があるのか記号はその境目で跳ね返されるような挙動をしている

 そんなのが何段も上方向にも横方向にも重なっていて頭がおかしくなりそうな風景を作っていた


 は? なにこれ? 動物なの? 植物なの? それとも無機物?


 洞窟の外は森とか山道とか、そういう普通ので良いんだよ! 普通ので!

 こういう変なサービスはイラン、というか困る


 うーん、これは参ったな。 あの自称神が変なオブジェだった時点でこういうケースも想像しておくべきだったか…

 生きていくなら最低でも水と食料をどうにかしないとまずいのだが、俺これからこんな奴食うの?


 …というか食えるのこれ?


 見える範囲には水も無いし、俺の知ってる世界とは何もかもが違うので何をあてにして行動すれば良いのかもわからん


 うーん、もう少し誘拐犯から情報引き出しておくべきだったか。 一寸早まったかも知れん


 一旦洞窟内に戻ることを決めた俺は間違って無いと信じたい


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