第6話 側にいて3

やたらとハイピッチで呑み進める紗奈。


いつもだったらこんな事は無いのに。



キッチンへ向かったついでに湯張りのスイッチを押す。


いつになくハイピッチな呑みっぷりを制止して風呂を勧めてその間に片付ける。

利用されたっていいんだ。それで一時でもあいつがが楽になるのなら。




風呂に入れたは良いが全然出てこない事が不安になり声を掛けると


「今出るー」と呑気な返事が返ってきて、風呂上がりのあいつの無防備な姿にドキッとする。


俺のTシャツから伸びる手足はまた一段と細くなっていてまた悩みが大きくなってしまっていることを示しているようだった。


「俺も風呂入ってくんね」



そう告げて浴室へと急ぐ。



脱ぎ捨ててあるあいつの衣服からは少し大人になった紗奈の香りが漂っていて。


疼く気持ちを隠す様にシャワーを浴びた。



「お待ちどー」



ふざけながら風呂から上がると


「待ってない」


と冷たい返事。



でも、今まで泣いていた事は少し赤らんだ目を見れば明らかだった。



「紗奈」



ちょっと強引に振り向かせれば、素直にこっちを向いて

抱き寄せれば、身を預けてくる。


こんなにも愛おしいのに俺だけのものに出来ないもどかしさが湧き上がる。



「シよ」



腕の中で俺を見上げ放った言葉は疼いた熱を昂らせるには充分過ぎた。



額にキスを落とし首元に顔を埋めれば次第に紗奈の声が熱を帯びてくる。


「ン......ンぁしょぉちゃベット」


その言葉でようやくベットへ移動した。



緩やかな愛撫を続ければまた物足りないという様に身体をよじる。


その姿が愛しくてつい気付かないふりをしてしまうんだ。



「やぁ、、、、ん、、ちゃんとして、、、」


「そんな事言うと手加減できなくなるけど」


「良いからもっと、、、」


「なら、お望み通りに」


「ん、、ぁふ、、、やぁ」


執拗に責め立てれば紗奈の目からは生理的な涙があふれる。


そっと拭ってやれば頼りない笑みを浮かべ

再び快感へと溺れていくんだ。


「やぁ、、、だめぇ、ンぁ、、、ふぁっ」


1度目の絶頂を迎え、アルコールのせいでいつもより息の荒い紗奈を抱きしめた。


「しょぉちゃ続き」


まだ呼吸も落ち着いていないくせに俺の腕から、 器用に抜け出すと既にそそり立っているそれを当然のように口に含んだ。


ジュルジュルと音を立てて吸い上げられ気を抜けば即逹するであろう快感を必死にやり過ごす。


時折上目遣いで見上げ気持ちいいかと口に含んだまま問いかけられ完全にペースに飲まれてしまうんだ。



「ん……ヤバっまじ出るッッ」



それでも頭をあげないので半ば強引に頭を離せば、紗奈はかなりの不満顔だった。


「出しても良かったのに。」



いつもなら絶対そんな言葉は出ないしそもそも口でしてくれる事すら珍しいのに。



「そーゆー事は先に言えよー」


惜しい事したなーなんて思いつつベットサイドのテーブルへ手を伸ばす。

シルバーの包みを手早く開けて装着し

まだ不満顔の紗奈の方へと向き直った。

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