008-♧02

学校に行くと、朝から練習に励む陸上部員の姿があった。


そんな彼らを横目に昇降口に向かい、下駄箱に靴を入れ、上履きに履き替え教室に向かうために階段をのぼる。

すると上から生徒指導の先生が降りて来た。

今、最も会いたくない人物だ。元テニスプレイヤーのあの人のように熱い人で、朝でも変わらず熱い。


『今日は早いな、にしても眠たいような死んだような顔してどうした』


「ここ最近眠れてないんです」


『なんだ、ゲームのやり過ぎか?』


「騒音が酷くて寝れてないって、前にいいましたよね?」


この先生は熱血なのだが、物忘れが激しいバカだ。こんなんでよくやれるなと感心するほどに、酷い。


『そうだったか?』

『だったらやめるように言えばいいじゃないか!』

『なんだったら、先生が言ってやろうか?』


「言葉が通じないから、無駄だと思いますよ」


『外国の方か?』


「それも前に言いましたよね」

「先生が追い払ってくれるなら、無駄だと思いますけどやってくださいよ」

「僕の家の近くにアイツが現れるので、やってみたらどうですか?」


『分かった』


なぜか、やる気に満ちてる先生に憐みの目を向けながら、教室に向かう。

そして、教室の自分の席で眠りについた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る