ここ最近、寝不足で頭がどうにかなりそうだ。

原因は、アレだ。間違いなく。

三日前の夕方、俺は子どもを轢いた。すぐに車を停め確認するが、全身血だらけで呼吸すらしてなかった。即死だった。

すると、背中越しになき声がした。恐る恐る振り返ると、俺を睨む瞳（め）があった。その瞳（め）の持ち主は、轢いた子どもの母親ようだった。

俺は怖くなって、慌てて車に乗り込み逃げた。

今も、あの母親のなき声が耳から離れない。

不意に携帯が鳴った。メールを受信したようだ。

確認すると、彼女からだった。彼女は俺の婚約者で、かわいいものが好きだ。

『おはよう。そういえばさ、二、三日前からうちの周りにかわいい子が現れるようになったんだ。女の子には、珍しい赤茶毛なんだ。写真送るね。』

送られてきた写真を見た俺は、言葉を失った。

写真には、あの母親が写っていた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい