003-♢01
夕方どこかに出かけて、朝方喉をからして帰ってくる。そして、自分の息子たちと昼寝をする。それが娘の昨日今日としてきた行動。
私は、喉に優しい食べ物を娘に用意した。娘はチビチビと半分ほど食べ、寝床に向かい寝た。いつもの娘なら、軽く完食する量のはず。
食欲がないのは、明らかな理由があった。
そっと引き戸の間から寝床を覗くと、影は三つ。三日前までは、四つだった。そこに孫娘の姿はない。
三日前、孫娘は車に轢かれた。即死だったようだ。しかも、娘の目の前で事故は起きたようだった。
娘から直接聞いた訳ではないが、状況からそう判断した。犯人は、まだ見つかっていない。見つかる訳ない。もし見つかったも、犯人は逮捕されない。
もしかしたら娘はいてもたってもいられなくて、事故現場に行っていってずっとないていたかもしれない。
そう思った私は思わず、引き戸を全開にし娘のもとに駆け寄り抱きしめた。
娘はなによと言いたげに声をあげようとしたが、声になってなかった。
もぞもぞと抵抗したのだけど、諦めたのか私の身体に収まり昔のように甘えてくるのは嬉しかったけど、抱き寄せた娘の身体はやせ細っていた。
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