読者連動スタイルを始めてみた



 いつもご愛読ありがとうございますっ♡♡

 というわけで久しぶりのエッセイです。


 さて、今年は長編の連載をしないつもりでおりました。

 趣味よりも優先すべきこと――家族との時間、住まいや体調を整える、将来性のある会社に転職をする等々――を抱えており、スマホにばかり向かわず有機的な時間を多く過ごすことを目標としておりました。


 ところがどうしたことでしょう。

 気づけば新連載『不要不急の恋人』を始めているではありませんか。

 このエッセイ『Novels and me』、短編集『砂とピアスの降る庭』、さらに別名義(麦谷那世)でのエブリスタとnoteと野いちごでの活動。もう、自分の首を自分で締めまくりではありませんか。


 コロナウイルスの蔓延する世界に生きることになった以上、これを無視して平和な世界を描くことは自分にはできないよな。そう思ったのがひとつのきっかけでした。

 もはやコロナのない世界を描くことはファンタジーになるのか? という疑問があり、それを検証してみたい気持ちも働いて。


 また、自粛や引きこもりの生活が続くことで、人々が予想を上回る熱量でエンタメを求めていることをTwitter等で知りました。

 各方面に寄付ができるほど生活に余裕はなく、それでも自分にできること、差しだせるものはないかと真剣に考えたとき、やっぱり結論は小説にたどり着いてしまうのでした。


 ありがたいことに、無名無冠のわたしという書き手を気に入って、この世に出している作品を「すべて」読み尽くしてくださったという神のごとき方々も既にひとりふたりじゃなくなってきました(汗)。

 楽しんでいただけるなら、いくらでもご提供したい。ほんの少しでも、この不安な日々の癒しや慰めになるのなら。


 ああ、それならいっそ、今のこの現実世界とリンクさせてしまおう。読者様も巻きこみながら、コロナ時代を生きる恋人たちを描こう。

 純文学志向で書いてきたけれど、今回はもうエンタメに振りきって。これまでになかった角度から現代小説というものに関わってみよう。


 そんな経緯で、『アパートたまゆら』に次ぐ恋愛小説『不要不急の恋人』が爆誕しました。

 主人公の里瀬りぜは、カクヨムユーザー。アカウントを持っているだけだったのが、ある日私小説を書き始めます。

 フォロー、応援、コメント、レビュー等、実際に皆さまにいただくリアクションのひとつひとつを里瀬が受け取り、作品世界に反映されます(許可いただいた場合のみ、お名前や本文を丸ごと使わせていただきます。詳細は本作冒頭「はじめに」にて)。


 この物語が迎える本当のラストは、作者のわたしもまだ知りません。

 ふわっとしたプロットは用意してあり、そこに肉付けしながら書き進めてゆきますが、コメントやレビューで話しかけていただけると、その内容をおおいに参考にしてハンドルを切り、方向転換してゆく可能性があります(冷笑や嫌がらせを除く)。

 里瀬が泣くも笑うも走るも転ぶも恋人に逢いに行くも浮気するも、あなた次第。

 そんなweb小説ならではの読者連動スタイルを楽しんでいただけたら幸いです。


 もちろん作品世界と現実が完全一致するわけではなく、リアクションの反映までにはタイムラグがありますし、処女小説を書く小岩井里瀬と書き手3年目の砂村かいりにはどうしても乖離があります(「かいり」だけに)。すべてのリアクションをきっちり拾えるわけでもありません。あくまでフィクションなので、ほとんどが創作ベースです。

 おっ、ここちょっとリンクしてるな、くらいに捉えていただけると嬉しいです。


 ノリのいい方々のおかげで、早くも本文転載許可つきのレビューやコメントをいただき、★までいただいております!

 皆さまを楽しませたいと思って始めたものではあるけれど、結局書くことで救われるのは作者自身なんですよね。いつも以上にカクヨムからの通知が嬉しくてなりません。

 楽しみながら、誰かの息抜きにもなれたら最高だなと思います。


 そんなわけで、どなたさまもお気軽にコミットしてくださいませ〜。もちろん既存の作品もよろしくお願いいたします。

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