この煽り文句、ウソじゃない。
世の童貞に恋する女子は、気持ち悪いのを我慢して中盤まで見て欲しい。童貞がどう童貞をこじらせるのか見て取れるようになる。
小中校生ならば同じクラスの男子は、イケメンであっても高い確率で童貞だ。
童貞のことを知ることが恋愛成就の役に立つのかは疑問だけど、知ってて悪いってことでもないだろう?
この物語は寓話だ。
いろんな教訓を授けてくれる。
過ぎ去った青春を、
葬り去ったはずの黒歴史の呼び水だ。
映画館で見終わった後に「サイコー!!」って能天気に叫べるようなものではないけど、時間を掛けて読むだけの価値はある作品だ。
ということでオススメです。
巨大な腐った林檎に100匹のミミズのような触手が絡み、体内には6個の謎の球体が浮かび、絶えず異臭を放っている。
そんな不気味な軟体生物に異世界転生した哀れな男がこの物語の主人公です。
まともに喋ることも出来ず、森のなかでモンスターに襲われ、人里に出れば化け物と騒がれて追い払われる。孤独な日々を過ごしていた彼に転機が訪れます。
ある日、村外れに住む盲目の少女ミーナと出会い、恋をする。
そして彼は決意する。「この子のストーカーになろう」と。
(注意:この話の主人公はロリコンで変態で童貞です)
「ドゥティ」と名付けられた主人公は、ミーナのためにモンスターを狩ったり、木の実を届けたり、話し相手や遊び相手になったり、お互いに孤独だった怪物と少女の素朴な交流が心温まり、目頭が熱くなります。でも、変態なんだよなぁ……。
村の人々から虐待を受けていたミーナを連れ出し、二人の冒険の旅が始まります。
目が見えないから好きになったのか。自分より可哀想だったから好きになったのか。恋に懊悩する怪物が見どころです。
この際、ロリコンでもいいから、ミーナちゃんを幸せにしてやってくれ!
(「ストレンジラブ」/文=愛咲優詩)