おまけ短編

第43.1話 大樹ハウスの日常編1 オイル

 今日という日は、歴史を変えた日として何千年も語り継がれることになるだろう。


 芳香剤に三日三晩頼み込んで作ってもらったアレがついに完成したのだ。


 僕が芳香剤の命令で何か雑用を10回するという交換条件になってしまったが、安いものだ。どうせ魔道具の材料を採って来いとかだろう。


 その芳香剤が作ってくれたアレとは何かというと、オイルだ。


 もちろん、ただのオイルではない。魔力を完全に抜いた植物から精製したオイルだ。そして僕の体は魔力がないものは吸収しない、とノアは言っていた。


 ......お分かりだろうか?このオイルを塗ったものには、僕は触手で触ることができるという寸法だ。


 少し残念なことは、芳香剤がくれたこのオイルは目薬かと思うほど小さな小瓶に入れられている。もっと大量に精製して欲しかった。


「魔力を無くすってかなり高等技術なのよ? 当たり前にあるものを無くすんだから、難しいのよ。例えばあなた、1時間息を止めていられる? ......って、あなたは呼吸しているかどうかも怪しいわね。」


 と芳香剤は言っていたが、きっと面倒臭がったのだろう。そうに違いない。


「本当に食料調達に使うんでしょうね? 変なことに使ったら、承知しないからね。」


 と芳香剤は心配していた。僕は魚や木の実をとる時に、触手で触ると吸収してしまうからこういうオイルが絶対に必要だ、と芳香剤を説得したのだ。


 芳香剤の心配は無用だ。僕はこのオイルを変なことに使ったりなんてしない。ただミーナに触りたいだけなのだ。



 ミーナを探すと、大樹ハウスの外に、木漏れ日の下で居眠りするミーナを見つけた。きっと魔法の練習中に魔力を使い切ってしまったんだろう。


 眠っているなら仕方がない。魔力を使い切って疲れているはずだから、起こすのも申し訳ない。僕はガチャガチャとうるさいクソダサアーマーからニュルりと抜け出て、裸になった。


 ミーナの顔を覗き込むと、すやすやと気持ち良さそうに寝息を立てている。眠っている顔もかわいい。


 ミーナのスカートがまくれ上がって白い太ももが見えているので、これはいけないと思い、粘土板に文字を刻むための石の棒を取り出す。僕はその石の棒を使って、スカートをゆっくりと持ち上げていった。


 徐々にミーナのスカートの中身が露わになり、太もも、パンツから少しはみ出たお尻のお肉、パンツ全体が姿を見せる。


 よく目をこらすと、ミーナのお尻の割れ目によって、ほんの少しだけパンツが浮いた部分ができている。そこに石の棒を引っ掛けて、少しずつパンツを下ろしていった。


 ミーナが「むにゃ」と言って足を動かす。僕はさっと石の棒を離して木の影に隠れる。ドキドキしながらミーナが起きてしまったかどうか確認する。......いや、大丈夫だ。まだ寝ている。


 1センチにも満たないが、パンツからお尻の割れ目が見えている。僕はもう少しだけ、もう少しだけとわずかずつであるがパンツをおろすことに成功する。


 ミーナのお尻が少し照れているのか、半分だけ顔を出した。すごい。これが半ケツか。


 真っ白いお尻の山二つの真ん中に、真っ黒い影が走っている。


 僕はミーナのお尻にオイルを一滴ずつ垂らす。


 ミーナが、


「......ん。あはは、ドゥティ、くすぐったいよ」


と言うので焦ってサッとまた距離をとる。しばらく様子を見守ったが、どうやら寝言だったようだ。びびった。


 僕はまたミーナのお尻にオイルを垂らしていく。


 ぽたっ、ぽたっ。


 このぐらいで十分だろうか。というかオイルは全て使い切ってしまった。本当に少ない。


 ミーナのテカテカと光るお尻が、全てを受け入れるように割れ目を僕の眼前にさらけ出している。僕はまずミーナの腰の部分に触手をそっと当てた。


 触れるぞ......。


 そして、その触手を徐々に下にずらしていく。僕の触手がお尻の割れ目の入り口に差し掛かる。


 お、おじゃまします......。


 ミーナのお尻が僕の触手を軽く拒んだかと思うと、ぬるんっと受け入れて両側から優しく包み込んでいく。


 は、は、入った......。


 僕は触手に全神経を集中する。これがミーナのお尻の割れ目の感触。いつも見ているだけだった、プリッとしたお尻の感触。最高だ。ここに挟まれて住みたい。ここを僕のお布団としたい。


 あぁ、ミーナのお尻が僕を包み込んでいる。ちょっとだけ、動かしてみようか.....と思った瞬間、隣に生えていた木がすくっと立ち上がって、僕を蹴り飛ばす。吹き飛んだ僕は2、3回バウンドしてようやく動きを止めた。


「ドゥティ!! 何やってるの!!」


 とブチ切れた芳香剤が肩をいからせて歩いてくる。今のは芳香剤の魔法か。やばい、なんて言い訳しよう。むしろ平謝りするしかない。


 それから芳香剤の3時間に渡るお説教が始まり、僕は謝罪の誠意を見せるために目一杯平べったくなって地につくばりながら、「何とかしてこのオイルを自分で作れないだろうか......」と考えていた。

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