あとがき

あとがき

 この物語を最後まで読んで下さって、ありがとうございます。ここから先は著者のあとがきなので、読まなくても大丈夫です。


 この物語は、かつて童貞だった僕に、いまの僕からのメッセージでもあります。


 僕はこの物語を、僕を含む悩める童貞や悩めるロリコンのために書きました。そういった人たちに、「童貞で良かった!」とまではいかなくても、「童貞だけど、それがなにか?」ぐらいになって欲しいな、という願いが込められています。


 ちなみに僕はまだ童貞ですが、自分が童貞であることがあまり気にならなくなりました。キーボードに向かって、かつて童貞に悩んでいた頃の自分を思い出して書いています。


 昔の自分に、そんな細かいこと気にすることないんだ、と少しでも伝わればこの物語を書いた意味があったというものです。


 あ、キーボードについて説明しないといけませんね。キーボードというのは、ボタンを押すだけで文字が打てる魔道具です。芳香剤に二つ作ってもらいました。ひとつは僕がこの物語の執筆に使っていて、もうひとつはミーナが使っています。僕のキーボードに関しては、触手で触れても壊さないように改良されているため、とても快適に執筆できました。


 そもそもなぜこの小説を書くことになったかというと、ミーナが字を覚える練習として、僕と出会ってからのことを小説にする!と言い出したからです。


 ミーナはミーナの視点から、僕は僕の視点から、僕たちが出会ってからのことを文字に起こして、全部書き終わってから交換して読み合う約束になっています。


 ミーナがあのとき何を感じていたのか、何を考えていたのは、知りたくもあり、知るのがちょっと怖くもあります。……ですが、やっぱり楽しみです。僕は僕の物語を書き終えました。あとはミーナの物語を待つだけです。


 もし仮に、セックスがお互いの、あるいは片方の性欲を発散するためだけの手段ではなく、お互いの隠された部分を見せあって、更にわかり合うための手段だとするならば、この小説自体が僕とミーナのセックスと言えるでしょう。


 僕とミーナのセックスをみて、少しでも楽しんでもらえたら、著者の僕としては冥利みょうりに尽きるというものです。


 ちなみにこの小説は、ノアママが世界の狭間はざまに流しておくと言っていました。それがどういうものなのかは僕には分かりませんが、ノアママいわく、僕のこの小説が異世界でも読まれる可能性があるらしいです。


 もしこれを読んでくれた人が、僕の元いた世界の人や、もっと違った世界の人だったとしても、悩める童貞の一筋の光明になれていたら、僕は嬉しい。


 そう願って、僕はここに筆をおく。


 ――魔王城のテラスにて。執筆しながら居眠りするミーナのパンツを眺めながら。

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