第77話 ミーナの怒り
「まだなにか引っかかるかね?」
とマーラーが僕をみて
「ほら、食事が来た。一緒に食べようではないか。」
僕たちの前にステーキやサラダ、パンが並べられていく。豪華な食事だ。
「そうだ、いいことを思いついた。」
と言ってマーラーはフォークでミーナを差し示し、
「なんだったら君を養成施設の一期生として招待しよう。こういうのは、早ければ早いほど旨みがあるものだからな。君は見た目も可愛いし、何より若い。立派な武器を持っている。少女という武器を今のうちに生かさなくては損だ。実際に体験してもらったら、この徴少女令が少女の活躍の場を広げるだけでなく、救済措置としても優れていることがわかってもらえるだろう。」
と言った。
「――ふざけないで!!!」
ミーナが力を込めすぎて震えながら叫ぶ。並べられた食事もひっくり返っている。
……ミーナ?
こんなミーナは初めて見た。
「そんなものが救済になるわけない! あなたこそ、そういう少女の立場になって考えてないからそういうことが言えるんだ! 私はもう知ってる。誰かも知らない男が私の中に入ってくるとき、私はいつも引き裂かれそうだった。私は目も見えなかったし、何をされてるのかもよく分からなかったけど、ものすごく痛かった……。次に何をされるかもわからないまま入れられて、舐められて、嫌がっても叩かれて、泣き出しても殴られて、何も分からなかったけど、私は大切にされていないってことだけはすごいよく分かった。何か都合のいい道具として扱われているなってことだけは分かった。……私は感情のない人形なんだって何度も言い聞かせてた。そうしないと、耐えられなかった。ふとした瞬間にもう死んじゃった方が楽かなって何度も考えた。いつの間にかそういうのにも慣れてきて、段々気にしなくなってきたけど、今なら分かる。あれは心がちょっとずつ死んでいっただけなんだって。何も考えなくなっていただけなんだって。あんなものが、あなたの言う少女の武器だなんて、私には思えない……。本当に大丈夫な強い人も、そういうのが気にならない人もいるのかもしれない。でも、私みたいな人が、リコみたいな人が、一人でも生まれるなら、そんなのは許せない!」
ミーナは涙を流しながら、魔法でマーラーの座る椅子の下から石柱を出す。
マーラーは「おっと」と言ってそれを
しかし、続けて襲いかかる僕の触手に反応できず、僕の触手がマーラーの顔面を捉える。
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