第2話 友達発見...?

 いつものように襲いくるモンスターを適当にあしらったり吸収しながら森をさまよい歩いていると、ふと森を抜けた。


「ブグォ」(ふぅ)


と僕は一息つく。


「ヌチャェ」(あれ?)


 ぼんやりとだが遠くに村のようなものが見える。


 村だ!と僕は体を波うたせて一直線に走り出す。


 それだけでなく触手を数本長く伸ばして脚の長い蜘蛛のようになりつつ駆ける。これは僕の高速移動モードだ。


 村の近くにくると僕は触手を引っ込めてヌタァと身を潜めた。


 そのまま突っ込んで行っても蜘蛛の子を散らすようにみんな逃げ出すだけでいいことなんて何もない。僕はもう散々学んだのだ。どうやって村人に話しかければいいかは全くわからないが、とりあえず様子を見る事にする。


 ぱっと見ごく普通の人間の村だ。農作業している人もいれば遊びまわっている子供もいる。広さからしても40、50人程度の規模の村だろうか。


 残念なことに、人間たちに混じって僕のような化け物が暮らしている村、という訳ではなさそうだ。


 この世界にそんな村があるのかどうかわからないが、どうか存在して欲しい……。


 一見すると普通の村だが、僕の目の前にあるこの家はちょっと怪しい雰囲気を醸し出している。やたらと村の外れにあることもそうだが、家の前に木のツルが何本も置いてある。そのツルは村の入り口や、少し離れた川まで伸びていた。


「バヌェアンダドゴォ」(あれはなんだろう。)


と呟いていると、ちょうどその家のドアが開かれた。


 その家の中から現れたのは、少女だった。年齢は10代前半あたりだろうか。なんだかボロボロの服を着ている。使い古した雑巾を縫って作ったかのような服だ。


 何も服を着ていない僕が言えたことではないが、もっといい服を着たら映えそうなのになあと思う。


 少女は片手に木の桶を持って、地面に置いてあった木のツルを辿って川まで歩いて行った。


「ヌァブドゥ、ゾゾゥグィンゴグポファ……」(なるほど、そういうことか。)


 その少女はずっと目を閉じていた。おそらく目が見えないのだ。


「ヌチャレェ、ドベヌァンヌベァ……?」(あれ、これチャンスでは?)


 これは初めてのお友達になるしかないと、ひたひたと少女のあとを付ける。


 そして、勇気を振り絞って話しかけた。


「ドゥボダァチ!ダボゥ……!」

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