第7話 ナガミチの賭けの成果 上

 ……


 事が終わったナガミチの胸に、クレアシアンが体を預けていた。

 まだ整ってない息の二人は、汗にまみれている。

 クレアシアンは妖艶な微笑を浮べて、自分の股間が小さく痙攣している事に喜びを持っていた。


 「よかったわぁ…、最後の、最後にこんなに満足させてくれるなんて…」となまめかしい声で言葉にした。

 「…そうか?」とナガミチ。

 その言葉に頷きながら、クレアシアンはナガミチを見上げて小さく微笑むと、顔を強くナガミチの胸に押し当て、「…殺したくないわ…」と言葉にする。

 その言葉に鼻で笑いながら、「頼むよ」と言うと、小さく微笑みながら、「わたしの…男になる?」と聞く、ナガミチは、その言葉に対して首を横に振った。

 「…あらぁ~、残念。」と小さく唇を尖らす。

 「満足しただろう?」とナガミチが聞くと。

 「えぇ~、初めて失神したわ、もう満足よ」と返した、その返しに、ナガミチが言葉にする「…なら、おまえの知っている事を、全部教えてくれ…」と。


 クレアシアンは、ナガミチに預けていた顔に、小さく緩めた笑みを浮かべると、上体を起こしてナガミチを見た。

 「…そうだったわね…」と少し考えた素振りを見せると

 「…いいわ、どうせ、あなたは明日までの命ですものね。と言っても、わたしもそんなには知らないわぁ…」といいながら小さく微笑む。

 「あぁ、それでもかまわない、とにかくおまえが知っている事を全部教えろ」と言いながら、クレアシアンの胸を鷲掴みする。

 「あっ…」と小さく声を上げると、妖艶な微笑を浮べて、「…終わったら…また、してくれる?」と聞いた。

 「…それは、お前次第だな、俺を満足させたら、その時は、また、失神させてやるよ」と言葉にした。

 クレアシアンは、ナガミチの言葉に小さく、彼女らしくない愛らしい微笑を浮べて、再び、か弱く、細い体を預けた。そして…

 「まずは…、何から話そうかな…」と言うと、小さく笑い声を上げて話し始めた…


 「フフフ…、それじゃぁ、あの女の近況から教えるわぁ」

 「アズサか…」とナガミチ。

 「そう、まだ生きているわよ、おめでとう。彼女も持っている武器の呪いに気付いたのは、つい最近のようね…、でも、まだ死なないは、あと、彼女もあなたと同じく、わたしを殺す子を育てているみたい…ききたい?」とナガミチを見る。

 ナガミチは頷く。


 クレアシアンは小さく微笑みながら、「ならちょっとだけ、餌をちょうだい」といい、唇をだして口づけをせがんだ。

 その行為にナガミチが答えると、再び、小さく微笑み体を預ける。


 「あの女には、と言う、黒髪の女の子が弟子になっているみたい。あと、あなたと同じ民族の子?ってのが二人…一人は体の大きく、顔に大きなアザのある子と、ちょっとやんちゃな女の子がいるみたいよ…」

 「同じ民族?」

 「そう、彼女が言っていたわぁ…。あとはね、白髭のジジぃとエルフのぼうや…、ワニ顔の男もいたし…、ドワーフもいたわぁ…それに、珍しい人もいた…」と言うと。

 「誰だ?」と聞きかえす。

 「じゃ…」と上体を起こし、「えさのぉ…じかぁ~ん」と言いながら、また、口づけをせがんできた。

 「後からたくさんやるから、さっさと話せ」とまくし立てると。

 「こぉわぁ~い」といいながら小さく微笑み、話し始めた。


 「有翼人種ゆうよくじんしゅの女…彼女はやばいわ…もう絶滅種なんだけど、神が本気でこの世界に送った人族。…バルキリーよ…」と言葉にした。

 「バルキリー?」

 「そう、バルキリー、彼女らはちょっと厄介な魔法を使うのよね…、でもだいじょうぶよぉ…だって…絶滅種だから…」と笑いながら話した。

 「…そうか」とナガミチ。


 少し間が開いて、「元の世界に戻る事が出来ると聞いたが…」とナガミチが言うと、その言葉に、唇に人差し指を当て考える素振りを見せると、小さく微笑み。

 ベッドから降りて、窓の方へと進んだ。

 イヤらしく左右に動く尻の肉、股間は、少し空いていて割れ目が見えていた。


 窓際に腰を下ろし、窓の外を見ながらクレアシアンは話し始める。

 「そうね…、なにから話そう……、そうね、」と頷き、ちょっと微笑むと

 「結論から行きましょう」と言葉にしながら、ナガミチに視線を移した。そして

 「…あなたたちは、元の世界に帰る道を探しているのよねぇ…」と言うと

 「結論。あなた方が向かうべき場所は…『』」と言葉にした。

 「『』?」とナガミチ。

 その問いに、クレアシアンは微笑みながら、

 「そう、『』…そこは、ここにはない異世界の名称。そこには、いざないのオーブと帰還のオーブ…2種類、計7個のオーブのコアがあるの」

 「コア?」

 「そう、コア、いざないのオーブは4個、帰還のオーブは3個あるの、それはあくまでもコアよ、そのコアには、呪文とルーンが刻まれているみたい。月の満ち欠けでそのルーンが力を与え、そのコアが、この世界にある7個のルーンを作用して、いざない、そして、帰還をさせると言うの…」

 「オーブ?」

 「そう、それは、コアの力を大きくするための、みたいなモノね。コアの力が、オーブに干渉するとコアの力が増幅するみたい…」と言葉にする。


 「そのオーブは、どこにあるんだ」とナガミチ、すると、女は、胸にあるペンダントトップをつまみ上げ。

 「これよ」と微笑んだ。

 「そんなにちいさいのか?」と聞くと、クレアシアンは顔を横に振り、妖艶な微笑を浮べて、

 「ちがうわぁ…」といい。

 続けて「…この世界に、7個のオーブが存在するけど、そのオーブすべては、このようにバラバラになっているの…そうね。わたしの聞いた話だと…47個になっているって聞いたわぁ」と微笑んだ。


 「47個に?」とナガミチ、クレアシアンは微笑み頷いた。

 「なぜ?」と聞くと、ちょっと首を傾げ「…さぁ…」といい。

 続けて「…このオーブは、7人のいにしえの賢者が作ったみたい、ただ、そのいにしえの賢者が、一人でもそのオーブを悪用しないよう、バラバラにしたって話しを聞いたことがあるわぁ」と言葉にした。

 「…悪用?」とナガミチ、クレアシアンは微笑みながら

 「…これは、7人のいにしえの賢者が錬金した魔法石なの…、だから、特殊な力が備わっているのよね…これだけで、普通の物理的攻撃も魔法攻撃もすべて無効にしてしまう…。だから、オーブが本当の形になったら、どんな力になるか…わかるでしょう?」と悪戯っぽくナガミチを見た。ナガミチは、顎に手をあてて考えた。


 「…と言う事は、お前みたいなのが、47人いるって事か?」と聞くと、ちょっと首をかしげてから。

 「わたしが聞いた話だと…、帰還のオーブの破片は、防御であって…いざないのオーブは攻撃に特化しているみたい。ただ、そのオーブ持っているもの同士が戦うと、お互いの長所を消してしまい、効果が無くなるみたいよ…」といいながら、ペンダントトップに視線を移した。


 「…でも、あなたの武器は…ちょっと違うかな…、あれは、オーブが備わってない武器よね…不思議だわぁ…」と小さく言葉にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る