第40話 ユウミとの相性

身体が重い。腰の辺りが、甘く重くだるい。

次の朝、僕はラボで一人ぐったりしていた。少なくとも午前中はラボに引きこもるつもりでコーラまで持ってきた。ここの惑星での作業は思った以上にぬるくて、ラボにコーラを持ち込んでも誰も何も言わなかった。


昨夜は、シャワールームでユウミが僕を洗ってくれて、その後身体を拭くのももどかしくもつれるように2回目の任務を遂行してしまった。その後はコーヒーを飲んで、僕はブラックでユウミは合成ミルクパウダーだけを入れていた。アウラもコーヒーはブラックで、リザリィはコーヒーを飲まなかったけど、故郷の惑星ではコーヒーに合成甘味料を入れる人はわりと多かったが、ミルクだけというのは少数派だな。僕がそんなことを考えていたらユウミがちょっとフランのところに行ってくると言い出したから僕が止めたんだった。

だってこの時間、フランだって任務遂行中だと思う。うん、わかってる。すぐに戻ってくるからジェイミィは先に寝ててと結局ユウミは出かけてしまい、僕は先にベッドに行って、ユウミが戻るのを待っていようと思いながらいつの間にか眠ってしまった。

朝、目が覚めたら隣にユウミがいて、「おはよう」と言ったらそのまま3回目の任務を遂行することになったんだった。


遅くなった僕たちは急いで食堂に行って朝食を食べて、ユウミの作業は食堂の手伝いだったからそのまま皿を片付け、僕はラボに来た。


僕はだらだら考える。今朝はさすがにサニアも僕と話しにラボに来ることは無いだろうと思う。


それにしても。ユウミの身体は魅力的だ。こんなことを言うのは下品だと思うけれど、アウラやリザリィとは何かが違う。

僕は初めてリザリィとそういうことをした時、アウラとは違うと思った。だけどそれは顔や体つきが違うような、個人差だと思った。でもユウミは。

圧倒的に何かが違う。どこが?と聞かれて理論的に説明をするのは難しいけれど、個人差とかそんなので説明できないぐらいに。


これがよく言われる相性というやつなのだろうか?もっともこれは、夫婦が結婚したものの2年3年たっても子供が出来なくて、離婚して違う相手と再婚したとたん子供が出来た。そんな時に使われる言葉だ。ユウミとはすぐにでも子供が出来そうな勢いでそういうことをしている。

僕はさっきまでだるいと思っていたのに、ユウミの肌に触れたくてたまらなくなってきた。


その日の午後はさすがに僕も作業をした。5つのプランターに植えた大豆に水をやって、摘み取っても摘み取っても次々伸びてくる草を摘んで鶏小屋に持っていってそれから、草の根っこに土ではない、根の一部でもなさそうな何かが付いているのを見つけて、それを調べようとした。


ラボで紙の上に丁寧に草の根を広げていたらトラルがやってきた。トラルが来たという事は顕微鏡を使うのかな、まあ僕のほうは急ぐことでもないしと思っていたら、

ジェイミィの今度のペアはユウミなんだろ?トラルが言った。

もうヤッた?って、トラルには遠慮とか品性とかはあんまりないな。

ユウミと過去にペアになったやつはみんな言ってるぜ。ユウミの身体はいいって。俺も早くユウミとペアになりたいなぁー。

みんなってまだ2人しかいないと思うけど。

「ユウミとそういうことはしたけど。確かに違うなあとは思った、、、」

僕の言葉は歯切れが悪い。

「僕はでもそれが相性ってことかなと思った」

バッカだなあ、相性っていうのは子供が出来るかどうかだろ。アウラを妊娠させたジェイミィがそんなこと言うなんて。

だいたいそれがあるからB計画は12人と総当りみたいなことをやってるんじゃないか。


そうなんだろうか?トラルの言うことはもっともらしく聞こえるけれど。


やっぱりユウミともゆっくり話がしたいと思う。昨夜は話らしい話はほとんど出来なかったし。

いや、それよりも、今夜も任務が先になってしまうんだろう。それはそれでいいけど。話はそれが終わってからでいいや。


トラルと話している間に草の根はすっかり乾いてしまって、根の周りにあるようにみえたものも縮んで干からびていた。

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