第6話

少年の家で、その日の食卓はにぎわっていた。久しぶりに家族がそろったのである。父親は漁の成果を自慢げに少年に語った。少年もまた、感心しながらそれを聞いた。

やがて、少年の前に父親が大きな魚を一匹置いた。

一人で食って見ろ、と言う。

母親は笑い、

こんな大きな魚ではとても食べられないだろう・・と言った。

「一人で食べてみせるよ!」

少年が怒ったようにそう言うと、皆、また笑った。

少年は意地になった。

どうしても一人で食べなければ気がすまなかった。

少年は食べはじめた。一口、二口と食べるうちに、少年は不思議な気持ちになっていった・・・。

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