イナゴの生いたち‐2
前回の続き……
僕は、特別支援学級で女の子として育った。色々な料理を作る実践的な学習や、通常学級より中身も回数もギュッとつまった校外学習を体験するのが楽しかった。だが、しばらくすると「いじめ」を受けた。五年生くらい?のことだ。こんな日常は、とてもじゃないけど精神が耐えられなかった。ストレスに耐性の無い僕は、統合失調症になってしまったのだ。
僕は、様々な障害を持つ子供が通う「放課後等」デイサービスに通っていた。だがそこのデイはおもちゃも無いし遊び道具も少ない、とても設備などが良いとは言えなかったような気がする。(まぁ今思えば、の話だが。)
そこには好きな人がいた。もちろん男の子だ。その子は、いつも車椅子に座っていた。言葉の一つも発することはなかった。でも僕はその子を見るたび、ドギマギと恍惚感に心が揺れて愛おしい気持ちで一杯になった。
………僕はやはり、気持ち悪いだろうか。
と言う、もうきっと叶わぬ恋物語です。本題に戻りましょう。僕は、「子供っぽい」と言う理由を付けてこのつまらないデイサービスをやめました。だが、六年生ぐらいのことだった。お母さんはこう言う。
「また、デイサービス通ってみない?」
僕はこう返す。
「えぇー、やだよ……?もう行きたくない」
結局、お母さんと僕は「芸術」をテーマとしたとある放課後等デイサービスの見学に行った。そのデイサービスは、「自分で考える」事が、一番大切なノウハウだと知っていた。
だから、子供が次、何をするかは大半の場合子供が決める。お母さんは次のデイの候補を考える事なく、ここに決めた。
僕は絵を描く事が好きだった。空想することも、大好きだった。芸術は多分、合っていた。ある時、先生と一緒に物語を書くことにした。僕が何を書こうか迷っていたので「あめふりぼうや」と言うアイデアを先生の一人が与えてくれたのだ。
僕は物語の設定を先生と一緒に書いた。僕は字が壊滅的に下手くそだったから、先生が代わりに僕の言ったアイデアを書きなぐった。
僕はとても嬉しかった。何故かと言うと、字が壊滅的なのに加え、コンピューターを持たせて貰えなかったからだ。パソコンはポケモンの公式サイトやヤフーキッズぐらいしか使えない、携帯電話を持つ歳でもない。だから先生方の存在がとても嬉しかったのだろうなぁ。
続く……
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