第7話 友加里の思い出4
未来さんも何かつらい
出来事があったのだろう
「大丈夫よ」
そうしか言えなかった
何も保証もない大丈夫
わたしも
あの時誰かにそういってもらえたら
何かが変わっていたのかしら
未来さんの頭を撫でながら
遠い過去に
また思いを向けてしまう
あの人に死ぬ前に
会えたら
もうこの人生終わりになっても
構わない
未来さんは泣き疲れて
わたしのベットに頭をもたれながら
寝てしまう
「あら、まぁ……」
未来さんの寝顔に
自分の孫の顔と
重ねてしまう
1度だけ
娘が会いに来てくれて
孫をみせにきてくれたことが
あった
どうしても会いたいと手紙をかいて
ようやく来てくれた
娘と孫娘
でもあれが最後になってしまった
娘はもうこれを最後にして欲しいと
言われた
わたしのことは
もう母だと思えない
元夫からわたしがしでかした過ちを
聞かされたと言う
1度の過ちは
とても大切なものまで
失ってしまった瞬間だった
「後悔しても、遅いってことよね。未来さんはわたしみたいにならないでね」
そっと寝ている未来さんに
話しかけると
まぶたが重くなり
「あ……また、ね。本当に眠くて……」
友加里はすぅーと
眠りついてしまう……
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