第6話 未来の場合3

わたしは気づいたら

友加里さんの部屋にいた

真っ暗な部屋に

小さな電灯をつけたまま

友加里さんは目をつぶったまま

いつものように

独り言を言っていた


友加里さんが

「ダメな母親ね」


って言った瞬間に

何ががわたしの中ではじけて

とんだ


そして


「そんなことないですよ!」


と言いながら

泣いている私がいた


友加里さんはわたしをみて


「あら、まぁ未来さん、よるなのに大丈夫?」


心配そうな、顔で

そっと頬を撫でてくれる


その瞬間に

流れていた涙も

加速して

号泣していた


友加里さんは

わたしの髪の毛をなでながら


「大丈夫よ、あなたは大丈夫……」


そう、呪文のように

唱えてくれて


いつの間にか

わたしは眠ってしまった


目が覚めた時は朝だった


友加里さんに撫でてもらいながら

泣き疲れて眠ってしまったんだ


友加里さんを見ると

静かに眠っていた


友加里さん……

わたしはどうしたらいいんだろ


このまま産んで

わたしはこの子を守れるだろうか?


友加里さんを見つめながら

答えのない答えを

探していた

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