第3話 友加里の思い出2

あの人のことが

頭から離れない


新人だったあの人の教育係として

指導していくうちに

恋心が芽生えてしまう


すでに結婚していたわたし

あの人も婚約間近だった

決して結ばれないはずの2人なのに

見えない壁に

2人の恋心は燃え盛っていた


いけないとわかりながらも

2人の関係が深くなるのは

時間がかからなかった


そして


バレてしまうのも


早かった


友加里は離婚を迫られ

子供も失ってしまう


あの人も姿を消してしまう


それからの人生は

惨めなものだった


久しぶりに成人した娘に

会いにいった友加里は

娘に


「あなたは母親でない。もう二度と会わないで欲しい」


そう言い放たれ

それからは会うこともなく

歳をとってしまった


友加里は

娘のことを思い出し

涙をする


そして

あの人の消息も

知らないまま

今に、いたっている


あんなに好きだった人


「死ぬ前にもう一度会いたい…」

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