第2話 未来の場合

仕事へ行く前の

テレビのニュースを見て

深くため息をつく


完全介護機械化法成立か?


高齢者が増えていく一方

介護の人手不足は深刻化しており

外国人の人手解消に手を出したものの

一向に外国人の介護をする人材さえも

結局増えず

今では3大介護と言われる

食事、排泄、入浴が機械化されている


だから働く人間は1日1人で良いという

世界になっていった

それももしかしたら

この法律が可決されると

完全に1日1人すらいらなくなるという

ことになる


次の仕事探すか…

わたしとしては好きな仕事なんだけど

1人でやれることは限られてくる

あとは機械まかせだ


憂鬱な気分で

仕事を行き

朝のラウンドに回る


「おはようございます」


そう言って入ると


「あ…咲ちゃんじゃない!」


また孫と間違えてる

この方も孫はもちろん子供さんさえ

顔を見せない

ここにいる人達はほとんど面会さえない

人達がいる


「未来ですよ 。お食事お持ちしましたよ」


ベッドを起こすと

キョロキョロとしている

ぼんやりとした顔で


「あ…孫と間違えてしまってね…ごめんなさい」


食事をテーブルに、セットすると

スプーンで1口手をつけて

やめてしまう


最近食事をほとんと食べていない


「いらないわ…」


無理に食べさせることは

しなないという契約を結んでいて

この方ももうすぐ…


悲しい気持ちを振り切って

「また、来ますね。食べれたら食べてくださいね」


部屋を出るとため息が

深く大きく出てしまう


この世の中はどうなるんだろう…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る