第2話世間の冷たい風
それでも、僕はここにいる。何と言われても、それだけは確かだ。
だから、フンと鼻で笑われても、僕は腐るわけにはいかない。
そうだ。
理由はどうあれ、僕はうまれた。
この大地にうみおとされた。
それは僕にも役割があるという事だ。
何もできなくても、僕はここにいる。
だから、僕は精一杯、全身全霊で呼びかける。
『僕はここにいる』と。
でも、それは間違っていた。ひっそりと生きていればよかった。
つつかれ、転がされ、突き落とされた。
僕はここにいると訴えただけなのに、世間の風は冷たかった。
そして、僕は居場所を奪われここにいる。
どこかわからない世界に。
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