リビング。


 美紀はソファに座り、テレビで上空から映し出された都心部の状況を眺めていた。


 いつも見かけていた光景が、無法地帯の様に荒れている事に、息を呑んだ。この場所に娘が赴いていると考えると、寒気が全身に駆け巡り、口元を手で覆う。


「葵……」


 そう呟いた時、映像の中にある一件の建物が爆発を起こした様に、一部吹き飛んだ。実況していたキャスターが、慌てた様子でその状況を告げていく。しかし、頭の整理が付いていない為か、しどろもどろとなっていた。


「……お願いっ」


 美紀は顔を前で手を組み、娘の安全を願った。



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