はめる
高校2年生、放課後の部室。
今日も今日とて隣の部屋から声がする。
「香羅って高木と幼馴染だったっけ?」
「うん、そうだよ」
いつもの甲斐田の声といっしょに聞こえるのは、俺のクラスでも活発な性格な方の
「私、いつか・・・はめたいと思ってるんだぁ・・・」
・・・騙されないからな?
女の子ではめたいと思っているもの、それはもう一つしかない。
当然指輪だろ?結婚指輪や婚約指輪をはめることは女の子にとって一つの夢だって聞くし。
流石にこれじゃあ勘違いしないって。何と言うか初歩の初歩って感じだし。
「あれ、そなの?香羅は別にそういう欲求はないって思ってたよ」
「だって、いっつも私がハメられてばっかりで・・・。たまには私の方が主導権握りたいなぁ、って思って・・・」
あれー。
違うんだけど、指輪じゃないんだけど!!
っていうか、え?いっつも甲斐田がハメられてる?
そんな関係なのか、あの二人!?
・・・い、いやいや・・・。純朴な甲斐田に限ってそんなこと・・・。
「じゃあ別に迷わなくていいんじゃないの?ヤりたいようにヤるのが大事だって!失敗なんて考えないでさ」
「でも、上手くハメないと気まずくなりそうだし・・・」
「何言ってんの!最初から上手くヤろうと思わなくていいの!精一杯ヤってる、って誠意見せれば、男なんて簡単に時めいてくれるんだから!」
まぁ確かに、そのぎこちなさが逆に良かったり・・・って、そうじゃねぇ!
これってあれか!?ハメるだのヤるだの、本当に・・・。
「あ、分かった。確かさ、隣の部室に土井がいるじゃん?練習がてら、彼をハメてきなよ!」
はぁ!?
「あ、そうだね・・・。何事も経験だし・・・」
甲斐田もはぁ!?何言ってんの!?
このままじゃ貞操の危機・・・。早く止めないと!!
こうして俺はやっぱり、隣の部屋へと足を進める。
「お前ら!一体何の話を・・・」
「あー!土井ぃ!何でそっちから来ちゃうわけ?せっかく香羅が驚かそうってしてたのに!」
「・・・お、驚かす・・・?」
「今度、高木くんが誕生日だから・・・。サプライズ、してあげようかな、って思って・・・」
「ハメるって嵌めるってことかよ!!」
今回のオチ・サプライズパーティー
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