暴走した僕を止めたのはSSクラスの体質者でした

朱雀

第1話

どうしてこんなことになったんだろう……。

こんなことになると知っていたら、僕は絶対こうならないように行動したのに……。



この世界には、特別な体質を持つ《体質者》と呼ばれる人間が多く存在する。

その体質も多岐に渡り、火が出せる人もいれば、身体を犬のように変身させることのできる人もいる。

そんなことができる人は世界に数人しかいない、と言いたいが、生憎最近の医療や科学といったものが発展してしまったせいで、世界で《体質者》ではない人の方が少なくなってしまった。

今では99%の人が《体質者》となっているらしい。

つまり、《体質者》であることが普通になってしまったのだ。

まあそんなわけで、《体質者》であることは何も自慢することではない。

問題は、どのくらいその体質が強力かということだ。

体質にはクラスと呼ばれるものがあり、それはSS、S、A、B、C、Dの順にそれぞれ定められている。

SSクラスが一番強力なクラスで、Dクラスが一番最弱なクラスとなっている。

そしてAクラス以上の《体質者》は、高校から体質者特別対策都市通称:CSC都市の中で唯一の学園への入学を許可される。

今日は学校の授業で、その《CSC都市》の見学をしに行くのである。


「はぁ……」

「なんだよシズちゃん。これからCSCに行くっていうのに、テンション低くね?」

移動中のバスに揺られながら、隣の席の友達はからかうように言った。

「だって僕には関係ないし。あとシズちゃんはやめろ」

「そんな事言うなよ。ここを入学するやつ以外がここを見られることってそうそうないんだから。ほら!あとで自由時間あるっていうし、俺と一緒に色んな所見て回ろうぜ!」

友達は僕の肩に腕を回して、元気よく言った。


ポーン


『まもなく、CSC都市に到着致します』


到着のアナウンスと共に、僕は重い腰を上げた。

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暴走した僕を止めたのはSSクラスの体質者でした 朱雀 @ssuzaku

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