彩さん
家に帰ると玄関の前に人影が見えた。その人は僕が自転車から降りる。
その人はスマホ片手に少し怒っていた。
「誠、また、私の妹になにかしたの?」
この人は彩さん。美香の姉であり僕の姉貴みたいなものでもある。
しかも、同じ高校で野球部のマネージャーを務めている。
美香とは異なり、ショートカットで、かわいいというか、綺麗な容姿をしている。しかも、成績優秀、運動もできて、男女ともに人気がありさらに先生にも信用されているため生徒会長も務めている。小さいころからの、僕の憧れでもある。
「何もしてませんよ?」
僕と負けないぐらいに身長が高めなので余計迫力がある。
「ほんとかなあ」
そう言いつつ彩さんは頬を緩ませた。
彩さんはよいしょっと言いながら僕の玄関の前に座る。
おいおいこの人女子高生に見えないぞ。女子高生にしてもうおっさんだよ。
彩さんの横に僕も腰を掛けた。
「今日マネ休みだったからさ。先に家にいてね。美香が帰るなり、ずっと自分の部屋から出てこないから、誠となんかあったのかなって、思っただけよ。」
ああ。そういうことか。
「まあ、何かあったんでしょうね。」
「誠ならその原因分かるんじゃないの?」
彩さんがいたずらっ子のようにニヒヒと微笑む。こういうところは少し似ている。
「し、知らないっす」
少し言葉にためらう。
「ふふ、あの子モテるもの。なんたって私の妹だし、告白されてたりして」
ほんとシスコンだなあ。というか超能力者かよ。
「んなわけないんじゃないんですか。」
のどがごくりと唾を飲み込む。
「ふーん。」
僕をニヤニヤと見つめている。
「まあ、いいわ。また、聞きに来るわ。」
彩さんは立ち上がり僕に手を振り帰っていった。
っていうか、また聞きに来るのかよ。
僕も立ち上がり家の中に入り、自室に行きベットに飛び込み。
目を閉じた。
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