帰り道

資料を置いた後空き教室をあとにした。さて帰ろうかな。

ゆっくりと歩き、カバンを持ち直しつつ校門に向かっていた時だ後ろから僕を呼ぶ声が聞こえた。 

「誠ー。お前も帰りかー?」 

後ろを振り返ると野球部終わりの三隅がこっちに走ってきた。

「よっ、今俺も部活終わったとこ」

「おつかれさん」 

三隅が部活終わったあとということはあの美香に告白していた野球部の人は

一年生で内容だ。それに部活が終わっていなかったのに関わらず告白したということか。二人で喋りながら。校門へ向かう。 

「そういや今日、珍しく早く終わってよ。」

「なんでだ?」

「なんか、練習の途中先輩が抜け出して一年は先に帰ることになってよ。」

「そうか。まあラッキーだったな。」

心にもないことを口にしながら、なぜあの人はわざわざ抜け出してまで告白したのかという考えが脳裏に浮かんでいた。

「まあな。」

校門に着くと、バス通学である三隅はここでお別れだ。

「じゃあなー」

「おう」

三隅とハイタッチをして、自転車置き場に向かう。

はあ、なんだかつかれたなあ、自転車にカギを入れ、サドルに乗る。

さあ、帰るか。そう思いペダルを踏みつけ、学校を出る。木から葉がひらひらと踊ってみせる。僕はふいに空を見上げる、自転車から見える真っ赤な夕焼けは僕の眼を虜にさせる。


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