一年二組
高校につくと時計の針は八時三十分を指していた。美香と僕は急いで自転車置き場に自転車を止めた。
「急げ!」
と僕は校内に入るなり足を走らせた
「は、はやいよ。」
美香は少し息を切らしていた。
「ったく。」
僕は後ろにいる美香に歩幅を合わせることにした。
二人でゆっくりと廊下を歩いていく。理科室を曲がって。階段を上がり。
僕は一年二組の教室へ向かった。美香と僕はクラスが同じではないので、ここで別れる。
「じゃあね。まこちゃん。また放課後」
ひらひらと手を振り美香は一年五組の教室に入っていった。僕は美香を見送り教室へ入ると皆ペチャクチャと話している。黒板を見ると自習とだけ書いてあった。ラッキーそう心の中でガッツポーズをとり自分の席へ向かう。一か月前の席替えで
最後尾の窓際の席というアリーナ席を当てたのだ。ほんとどうでもいいことに運気ってのは味方になるな。
「お、また重役出勤か?」と隣の席の三隅が話しかけてきた。こいつとは中学からの仲で馬が合っていたのか志望校も同じだったのだ。
「まあな。」
「そーいや、誠。杉とまだ登下校してんのか?」
と三隅がからかうように聞いてきた。
「そりゃまあ。ずっとそうだったしな。」
「そうかあ。杉ってなんかほっとけない性格してるしなあ。それにかわいいし、髪とかサラサラだもんな。」
「え。お前美香のことめっちゃ見てんな。」
「いやそりゃ、杉って二年三年の先輩からめっちゃ噂になってるしな。」
「そう言えば三隅は野球部だったな。」
「忘れてたのかよ、」
「まあまあ。」とくだらない話をしていたら先生が入ってきた。
みんな一斉に席に座っていく。
「すまん遅れたな。じゃあ授業始めるぞー。教科書の五八ページ開けろー」
僕は教科書を開けるだけ開けて窓から見える楓の木を眺めていた。
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