第三章 電脳シータ
1、目指すべき場所
それから1週間がたち露店など街、全体が落ち着きを取り戻していた。
ホワイトナイツは新しい人員を補充し復活、探索を続けているが第二フロアの全貌は未だにわかっていないという。
小次郎がアキハバラ新聞を読みながらコーヒーをすする音が武具屋に響いている、静かな朝だ。
「ユウキ、第二フロアちょっと行ってみないか?いや考えたんだけど、第一フロアとボスの間の階段、人が数人通っても十分すぎる洞窟、どう考えても人為的なものに思えるんだ。」
「確かにそうですね。」
「そうなると第二フロアのどこかにまた階段があって、上に行けるんじゃないか?」
「可能性はありますよね。ボスがいる可能性も・・・。」
「そう考えると洞窟内モンスターは有限、上に行けば地上に戻れる可能性もある。本格的にダンジョンの攻略を目指すしかないと思うんだよな。」
「そう・・・ですね。」
「ユウキが言いたいこともわかる。ここはリアルなんだよな。だけど誰かがやらなきゃいけない事だ。だったら俺はやりたい。」
「わかりました。でもウミとじいさんにも相談させてもらえませんか?」
「もちろん。」
今までしっかりとした方針なんて考えたことがなかった。
それだけ今の問題を解決するのにせいいっぱいだった。
小次郎という頼りになる仲間ができ少しは心に余裕が出来た。
「ウミ、じいさん、さっき小次郎さんと話して、ダンジョンの攻略を目指し上へ進もうという話が出てるんだ。もちろん危険だし、決定というわけじゃない、みんなの意見が聞きたい。」
「ワシは元々ここで待ってお前たちの飯を作るだけじゃ。動くお前たちで決めるといい。」
「私は・・・。攻略に賛成です。確かに怖いですが、危険なことは誰かがやってくれるって他人事じゃダメだと思うんです。誰かじゃなくて私が率先して動きたいです。」
「わかった。正直今まではみんなに危険な思いをさせないようにって動いてきたけど、これからは上を目指すため、率先してダンジョン攻略をしていこう。」
こうして俺たちの方針は決まった。いざダンジョン第二フロアへと思った矢先、電脳シータから秋葉原全域にアナウンスが流れた。
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