第二章 フロアボス
1、サイクロプス
怒涛一日が終わり、あれから3日が過ぎようとしていた。街は水道が復旧し、中央通りにはダンジョンで討伐したモンスターの肉や魚を売る露店が並ぶようになっていた。はじめは物々交換で物の取引をされていたが次第にアキハバラコイン、通称Aコインが作られ経済を回していった。この通貨も電脳シータの案だという。そして一般人でも使えるフリーネット回線が作られ、ある程度の日常生活に支障はなくなった。いろいろなものがすぐにできてしまうのはこの秋葉原に来る人間の制作技術の高さだと思う。この三日で秋葉原の大きさも把握が出来た。ダンジョンがあるのは昭和通りを神田方面に進んで橋を越えた先の岩本町の交差点のあるところ、そこが南東の端だった。南西は御茶ノ水駅までで、北は蔵前通りで行き止まりになっていた。秋葉原にある公園は野菜を作ろうと畑に生まれ変わり、ダンジョンに潜る探索組と、生活製品を作ろうとする技術組、野菜などを作る栽培組などに分かれ、経済を回していった。しかし今だにダンジョンは謎のままだった、自然に出来た穴なのか誰かが作ったものなのか・・・。今わかっているのは、入り組んだ洞窟内に地上では見たことがないモンスターが居るという点だけ。探索組が作ったダンジョンマップの最後のピースが埋まろうとしたとき、ダンジョンで初めて犠牲者が出た。このダンジョンは上へと伸びている、しかしその前には巨大なモンスターが侵入者を拒んでいた。ダンジョンのモンスターの名はサイクロプス。一つ目巨人の化け物だ。
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