第39話『ターニングポイント』

「はあ、まだあるよこれ……」


聖はため息をつきながら慣れていない和矢の分の仕事をこなしていた。

聖のおかげで2週間で和矢はかなりの庶務の業務をこなせる様になったが、

この学校の仕事量は異常なほど多い、

生徒に社会に出ても即戦力になるようにという理由でかなりの勉強量と部活への力を注ぎ、そして生徒会に関しては学校が運営するはずの仕事すら生徒に任せていた。

失敗すれば生徒会長の責任にもされるというかなり理不尽なことも取り入れて

緊急時の対応を見るという名目を置いて


「だからってこれだけの量をふつう学生に入れるかあああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア! ブラックだろうがい! ボケえええ!! 私の帰る時間帯がいつも23時になるのはこの学校が悪い!」


聖は名門校でかなり厳しいと聞いて覚悟してこの学校に入ったが明らかに一つの学校としておかしいというのは入ってからわかった。

聖自身はパンフレットに書いてあることだけではこういう状態になるとは書かれてなかったことと、学校だからそんなに酷い事はしないだろうという考えで入ってしまったが

明らかに自分の仕事を押し付けるようなことばかりで完全にブラックスクールであった。

しかし、聖は文句を言いつつも


「だが負けんぞこの野郎が! やってやろうじゃねえか!!」


と言ってその日も終わっていないするべき仕事に手を付けていた。


するとトントン

とドアの音が鳴り


「ただいま帰りました!」

「あら和矢くん、お仕事終わりましたか?」

「はい! 言われた仕事はすべて終わりました!」

「そうですか! ありがとうございます! ではもう帰っても大丈夫ですよ! 後のことは私がやっておきますから!」


そう言って聖は笑顔を作ったまま、


(ここで、僕も残って手伝うって言え! それが常識だからな!)


と願っていた。

すると和矢は


「では会長! 僕はこれで! あまり無理しないで下さい!」


と言った。

表情を崩しそうになったがなんとか耐えて聖は


「はい! さようなら!」


と言って笑顔で見送った。

そして


「畜生め!! てめえ! お前を雇ったのは私のボディーガードなんだぞボケ!」


と地団太を踏んでいた。

すると


バタン


「会長!」


と声と共にマイが入ってきた。


「どうしましたか?」

「わっ私も手伝いましょうか! 私ならだい……」

プルプルプルプルプル!


「え!!」

「出ていいわよ」


手伝おうと言いかけた瞬間電話が鳴ったため、マイは戸惑ったが

聖の言葉に


「えっと、わっわかりました」


と言って電話に出た。


「もしもしお母さん? !! 何言ってるの! あ! コラ!!……」


マイは蒼白しながらあ


「ゴっごめんなさい! 自分で言っておきながら問題が発生して帰らないといけないみたいで!」


と言った。

それを見て聖は笑顔で


「仕方ないわよ、何があったかは詮索しないから帰ってあげなさい」

「はい! 申し訳ございません! 帰る時は気負付けてくださいね!」


とそれだけを言って部屋を出て行った。

聖は仕方なさそうにした。


「まあ、親が問題なら早く帰らないといけないしな」


と思い、諦めていた。

そして


「しゃあねえ、祐輔呼ぶか」


と思い電話したが


『この電話は現在使われておりません』

「あの野郎が! 番号を変えたな! 糞うが! 鏡佳は熱で来れないし!!」


と怒った。

しかし、


「ダメだ、怒ったら疲れる」


と言って激しい運動をしないようにして仕事に戻った。

そして


「でも怖いなあ、最近付けられてる気がしてならないから」


と不安を積もらせていた。


だがそんなことに不安を感じながらも仕事を手早く終わらせていった。

そして


午後22時


「やっと終わった!! もう帰る!! 絶対に帰る!」


と言って立ち上がった。

鞄を持ち部屋から出て靴に履き替えて帰宅した。


「はあ、もう疲れた、働きたくないシンドイ、でも頂点に立つためにはもっと頑張らないといけないし、もっと頑張らないと」


と言って頬を叩き気合を入れた。

そして


「忌まれても意味ないな」


と独り言をつぶやいた。

すると


「聖ちゃん! だね?」


そこには見知らぬ男がいた。

聖は


「えっと、どちら様でしょうか?」


と確認した。

もしかしたら知ってる人が話しかけているのかもしれないと思ったからなのと、

もし知らない人間で危なければ刺激しない方が良いからであった。


「ゴっごめんね! 勇気がなくて全然伝えられなくて本当にごめん! 僕がもっと君の気持ちに早く気づいてあげれば良かったのに!」

「はい? どういうことですか?」


と男の言っている意味が分からなかった。

すると男は興奮しながら


「でももう大丈夫! やっと気づくことが出来たんだ! そう! きっとそうなんだ! これは運命の導きなんだよ!」


と興奮しながら大きい声を出した。

そして


「僕とS○Xしてください!」


と公然わいせつをぶっちぎりで破る行為をした。

それを聞いて聖は


「無理です」


ときっぱり断った。

聖は


(こういうのはあまり刺激しない方が言いが、あまりやり過ぎると依存して本当に付き合わないといけないような流れになるから嫌なんだよな……)


と思っていた。

男は信じられないように


「そっそんな! このビッチ! 俺を見つめてたくせに! それなのに僕の愛を受け入れないだと! ふざけるな! 人を惑わす魔女が! 燃やしてやる! 火炙りだ!」


と言って持っていた着火マンを出して


「しねえエエエエエエエエエエエエエエ!!」


と言いながら襲い掛かった。

聖は驚きながら


「うわああああああああああああああああああああ!!」


と悲鳴を上げながら手を振った。

バシいい!!


「!!」


奇跡的に手が着火マンに当てて、落とした。


「こっこの野郎が!」

「警察呼びますからね!」


そう言って携帯を出して、電話しようとした。

聖自身も冷静で入れなかったのだろう

少し電話に注意を向けた瞬間


「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


という雄叫びと共に

ザス!


とナイフが刺さった。


「え……」

「死ねええええええええええエエエエエエエエエエエエエエ!!」


という声と共に男はナイフを何度も何度も刺した。


(そっそんな、痛い、この私が死ぬなんて、こんな知らん男のせいで私の人生が……支配するはずの人生が……畜生が、畜生があああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!)


と考えながら聖は死んだ。

そして転生した。

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