第37話『生徒会』

「そろそろかな?」


聖は時計を見てそわそわしていた。

それを見ていたひとりの男子生徒が


「何がですか? 会長?」


と聞いた。

すると聖はにやりとしながら


「あの例の子だよ」


と親指を立てて言った。

それを見て男子生徒は


「ああ、また会長やったんですか? 本当に悪女ですね、僕だけですよ? 会長が人の心情を利用してのし上がるタイプって知ってるの? 幼馴染の僕ぐらいですよ?」


と呆れながら言われた。

それを見て聖は惜しそうに


「本当はお前も私の手駒として操るつもりだったんだけどなあ~」


と言った。

男子生徒はやれやれとした表情で


「無理無理、僕アンタの事情知ってるし、何年一緒にいると思ってるんですか?」


手を振りながら言った。

それを見て聖は


「まあ、あの時は私もまだ若かったからちゃんと掌握できなかった面があったからなあ、まあお前のおかげで一気に成長できたのが事実だし、ありがとう! 祐(ゆう)輔(すけ)君!」

「はいはい、表情の見せ方と声のトーンで魅了しようったって騙されないし操られませんよ! あんたの性格を知ってたら特にな!」


と言った。

それを見て聖は


「ち!」


と舌打ちした。

すると祐輔は


「まあ! 僕はお前に乗せられといてやるよ! あんたの頭だけは信用してるんだ! それで僕も偉くなってやるさ! お前よりもな!」

「はいはい、頑張ってねー」


と言ってるうちに

トントン


とドアをノックする音が聞こえた。


「ああ、可愛そうな仔羊が来たのかな?」

「多分ね? 噂をすればなんとやらって奴さ! 出迎えるか!」


そう言って聖はドアの方へと


「入っていいですよ!」


と言った。

するとそこに和矢が入ってきた。

それを見て聖は


(やはり来たか)


祐輔は


(ああ、可愛そうに、散々利用してやるから感謝するんだな)


と思った。


「しっ失礼します!」

「もうドア開けてるわよ?」

「そっそうでしたね!」


そう言って緊張しながら和矢は部屋に入った。

そして祐輔は


「おや? 君は確か中田 和矢君だね! どうしたのかな? 生徒会に?」


と言った。

そして、ハッと気づいて慌てるように


「ごっごめんごめん! まずは席についてもらうのが先だね! 僕としたことが! うっかりしていた! どうぞこちらへ!」


と言って席へと誘導した。

それを見ていた聖は


(うわ、白々しい、でもこいつがこれをするのは本当に純粋なバカだけだから多分和矢はこういう演技に慣れているようで慣れていない! なぜなら見てきた演技派全て分かりやすいものだったから! こういう風に表情と声のトーンまでも気遣った相手を騙すような人間にはあってこなかったのは先ほど会ったことで分かってるからな! 多分こいつも私がすでに会っていることを考えた上だろうな、それに緊張してあまり冷静ではないのだろうな、多分生徒会とかそう言う人との関わりが慣れていない証拠だな!)


そして和矢は


「あっありがとうございます!」


と言って緊張しながら席に着いた。

そして祐輔は


「これ、お茶です! お口に会えばいいんですが!」


そう言って机に入れたお茶を差し出した。

和矢は笑顔で


「ありがとうございます!」


と言った。

そして、聖は向かいの席に座った。

そして


「で? 生徒会に何様ですか? さっそく相談事ですか?」


と聞いた。

すると和矢は


「あの、生徒会長の言っていた生徒会に入るかのことを考えたんですが、今からでも間に合いますか?」


それを聞いて聖は少し驚いて


(チョロ!)


と思った。

それを見て祐輔は


「どうしたんですか? 会長? 誘いに言ったのって彼だったんですね? 僕は全く構いませんが?」


と笑顔で言った。

聖は


「ああ、そうだね、私も構わない! いや何、さっきの今だから少し驚いてね、断られたからもう入らないと思っていた」


と言った。

そして心では


(こいつを利用するためにもこいつの悩みを解消して心を掌握してから入るからと思ってた、ビックリした……)


と考えていた。

そして聖は


「でもありがとう! あなたのおかげで生徒会が揃いました! すみませんが席が一つしかなくてね! 生徒会の庶務になっていただくんですがよろしいですか?」

「はい! 俺は構いません!」


それを聞いて祐輔は


「和矢君って言ったっけ? 会長の前で俺はダメだよ! 僕にしなさい!」

「もっ申し訳ございません!」


そう言って和矢は頭を下げた。

すると


「会長! 部活の部費の計算終わりました! ってこの方は?」


と一人の女子生徒が入ってきた。

その子はすごく胸が大きかった。

生徒会長の聖とは違い大人っぽい感じでロングの髪がすごく似合っていた。


「ああ、今日から庶務になった中田 和矢君だ! 仲良くやってくれ!」

「はい! 会長! よろしくね! 和矢君!」

「はっはい!」


聖は


「彼女は平多(ひらた) 鏡佳(きょうか)だ! 会計を担当している! もう1人書記がいるんだが……」


するともう1人の女子生徒が入ってきた。

その子は金髪の外国人であった。

胸は控えめで背が普通ぐらいの慎重であった。


「会長、お待たせしました」


そう言って会長の横へとすぐさま来た。


「ありがとう、マイ、彼女はマイ・エリベリ、書記を担当してくれている!」

「僕が副会長の四条 祐輔だ! よろしくね!」


揃った生徒会を見て緊張しながらも和矢は


「よっよろしくお願いします!」


と言った。

こうして生徒会が全員そろった。

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