第36話『孤独感』

猛と長谷川、

そして、リンとメリアの激闘の最中、

聖と和矢も戦っていた。


「会長! あなたを討って絶対に魔王を倒してやる!」

「ははははは!! お前如きがこの私に勝てるかっての! 死ぬのはお前だ!」


そう言って聖はキレた指をポケットにしまった。

そして、鞄から札を取り出した。

そしてもう一つのポケットからライターを取り出して


「マジックシールド」


と言って札を燃やした。

そして、聖をマジックシールドが包んだ。

それを見て和矢は


「!! さすがです、会長、まさか転生者に使えない魔法をそうやって使えるようにするなんて」

「フン、お前みたいにチートでもらわなくても、人間の知恵を使えばこんなのは余裕で出来るんだよ!」


そう言ってもう二枚札を使って


「ファイアーボール!!」


そしてそのまま和矢に飛んで行った。

和矢も


「ファイアーボール!」


と言って二つ放った。

そして


ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!


とけたたましい音と共にファイアーボールが衝突した。

それと同時に和矢は聖の方へと飛んで行った。

そのまま買ったばかりの剣を使って斬りにかかった。

しかしそこには聖はいなかった。


「!! いったいどこへ!!」


すると


「全くお頭が悪いな、いつまでも同じ場所にいるわけないじゃないの?」


そう言って聖はカッターで和矢を斬りにかかった。

しかし、


「残念だけど俺もマジックシールドを張ってるんですよ」


そしてカッターを弾いた。


「ほほう、まあ確かに菌を防ぐんだからそうだな、でもそれは別にダメージを受けないわけじゃないだろう?」

「はい、そうですね、でもそれは凛格会長も同じなのでは?」

「抜かりはないよ」


と言って札を出した。


「成程、何枚も持っているのですね」

「そう思うのか、それがお前の限界だな」


と札を出して燃やした。


「フリーズ!!」


そう言って和矢の足元を凍らせた。

そのせいで和矢はバランスを崩した。

それをついて聖は攻撃にかかった。


「カッターぐらいではあまり意味ないのでは!」


と和矢は言ったが


「別に物理ばかりするわけじゃないよ!」


そう言って至近距離で


「ハイパーサンダー!!」


と言って高電圧を和矢に放った。

バリ!!


「!!!」


和矢のマジックシールドに少しひびが入った。

それを見て和矢は


「マジックシールド!」


と言って貼り直した。


「ほほう、チートなだけある、マジックポイントが桁外れなのかな?」

「そうですね、あなたの札はどれくらい残ってるんでしょうね?」

(ふーん、まあいいさ、こいつが勝手に札に限界があると思ってる間にこいつのマジックポイントを減らさせてもらう!)


と考えて魔法の札を4枚使った。


「サンダー!! ウォーター!! ソルト!」


塩を水に交ぜてそれに電気を付与させた。

電圧が高くなって和矢に襲い掛かった。


「!! それだけの才能をどうしてこんなことに! 本当にあの時からあなたはそんな人なんですか!!」

「はあ? もしかして私の会長自体のことまだ言ってんの? だからネコ被ってったって言ってんじゃん!」


和矢にはどうしても信じられなかった。


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和矢は昔から武道が好きで自分のおじいちゃんの道場に通っていた。

最初は中学は空手をして優勝までこじつけた。

そして、次に剣道にも興味を持ち高校に剣道部で一年ながら優勝した。

それを見て皆、

嫉妬した。

何でもできる和矢に羨望のまなざしを見せたふりをした嫉妬をする部員たちに和矢は自分の道を見失うことはなかったがそれでも和矢は苦しかった、

何とも思わないわけじゃなかった。

信念はあっても和矢は心のよりどころを求めていた。

そんなときだった。


「あなたが和矢君ですか!」


そこに一人に少女がいた。

自分の学校の制服の為、背が小さく幼く見えるだけの同学年の子だと思って


「君は?」


と聞いた、

すると少女は


「おい! 先輩には敬語を使いなさい! それとも私の子と見た目を見て言ったのか! それはあまり良くないからこれっきりにしてちゃんと会話の初めには敬語を使いなさい! それはこれからの未来君にとても必要なことですよ!」


と叱られた。

和矢は


「もっ申し訳ございません!」


と素直に謝った。


「良いですよ! それであなたを見込んで頼みがあります!」

「ナッなんですか?」


和矢は緊張しながら聞いた。


「生徒会に入りませんか! 見たところ孤立しているように見えますよ! 大丈夫です! 生徒会ではあなたを嫉妬するようなものがいません! もしいるのなら私がその度に叱りますから! それこそが生徒会長の務めですもの!」


そう言って先輩は堂々としていた。

それを見て和矢は少しずつ惹かれ始めた。


「えっと、申し訳ございませんがお名前は?」

「確かに名乗っていませんでしたね、ごめんなさい、私の名前は凛格 聖! この学園の生徒会長の人を任されています! もし入ってくれるのならよろしくお願いしますね! 無理強いはしますせん! あなたに入って貰ったら助かるのは事実ですがそれはあなたが決める自由ですからね!」


そう言って笑顔で手を伸ばした。

だが和矢は


「その……少し考えさせてもらっても?」


と聞いた。

それを見て聖は


「そうですか! 良い返事を待ってますよ!」


と言った。

そして最後に


「もし相談事があるのなら生徒会まで相談してもいいですよ! 少しはあなたの心も気が楽になるよう努力しますので!」


と言って帰って行った。

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