第35話『元気でね』

「私を一緒に連れて行ってください!」

「私を一緒に連れて行って!」


2人は和矢にそう言った。

2人の顔を見て覚悟があることを和矢は確認した。

そして


「君たちの親はどういっているの?」

「大丈夫です、すでに許可は出ています」

「私の方も同じ」


それを聞いて猛は


「それなら俺は構わない、ただ絶対に君たち二人の命を守り切れるって言えないことは承知してくれるかな? 仲間だから努力はするけど」


と言った。

リンは


「私たちも出来るだけ和矢の子と仲間だと思ってるから助けたいけど絶対じゃないから安心して」


メリアは


「私も同じかな、でもこれだけは譲れないのがある、貴方とリンの命のどちらかを選ばないといけない場合はリンの命を助ける、それが私が与えられている仕事でもあるから」


と言った。

それを聞いて和矢は


「構わないよ、それが紀伊の仕事なんだから」


と言って納得した。

それを聞いて2人は


「ありがとうございます!」

「ありがとう!」


と言った。

和矢は


「後今日と明日が終わって明後日には出立するけど、準備はしている?」


と聞いた。

2人は


「準備自体は昨日から始めてます、本格的には今日からしますけど」

「あと、自分の武器を持って行こうと思ってる、拳だけじゃ確実に魔王には勝てないだろうし」


2人はそう言って

和矢は


「分かった、ならそのまま進めてね、俺もこの町に出るまでにもう少しかかるし、後継ぎの町で剣を買おうと思う」

「? 剣ならうちの国にもあるけど? でも確かに次の町の武具店でかなりの有名店があるって話だしあそこは武器の生産と質がかなり上らしいからそっちの方が良いのか、魔王を倒すなら、でも高いはずだよ?」


とメリアは言った。

それを聞いて和矢は


「大丈夫、前の町で力仕事をしてかなりお金を貰ってるんだ」


と言って金額を見せた。

それを見てメリアも納得した。


「本当に和矢ってすごんだね、これなら絶対に変えるよ、武器に関しては私たちに任せて、これでも目には自信があるから」

「私も手伝います、これでもこの国のお姫様だから!」


そう言って2人は笑った。

和矢は


「ありがとう、2人とも」


と言ってほほ笑んんだ。

2人はそれを見て顔を赤くした。

そして、


「ごめん、和矢、ちょっと2人で話したいことがあるからいいかな?」

「いいよ? 俺はここにいるから」

「分かりました、では少し出ます」


と言って2人は部屋から出た。

そして


「いい、リン、どちらかの思いが届いても絶対に恨むのは禁止、悔しくて泣くのはいいけどね」

「それはこっちのセリフですよ、メリアこそ我慢できるの?」

「おお! もう自分の男宣言ですか? リンも言うようになりましたな!」

「オッサンみたいよ?」

「えええ……」


2人はそう言って旅の準備を進めた。

そして2日後


「行ってらっしゃい、リン、その槍を持っていくんだね」

「ええ、お母様からもらった大切な槍ですけど、私にはこの槍しかないから」

「そうか……頑張るんだぞ」

「メリア、リン姫をちゃんと守ってやるんだぞ」

「分かってるわよ! 父さんも王様を守ってやるんだぞ!」

「生意気言うな!」


ゴン! 

「うぐう!!」


そう言ってメリアの父親はメリアの頭をぶった。

そして


「では行ってきます」

「和矢君、頑張ってくれよ、君の手にかかってるかもしれなんだから」

「ありがとうございます、頑張ります」

「娘をよろしく」

「はい」


そう言って3人の旅は始まった。

そして、3人は次の国に武器を買うために立ち寄るのであった。


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そして、リンは親友のメリアを猛に人質にとられて

助けようとしたがいつ猛がメリアを殺すのかが分からず戸惑っていた。

メリアは自分よりリンの命を守ろうと自分の命を取るようにリンを説得していた。

しかし、リンは泣いていた。

そしてメリアは自分がリンに重い決断を指せているんだと気づいた。

そして、メリアは涙を流しながら


「リン!! あなたに会えて本当に良かった! 楽しかったし、恋も出来た! この旅に出ようと決意で来たのもあなたのおかげよ!」


と言った。

リンは


「それは私も同じです! あなたがいたから私に親友が来た! 恋も出来たんです! あなたがいなければ私は言われるがままの人生だった! だから絶対に死なせない!」


それを聞いて猛は


「はあ!! この状態をどうするつもりだよ!! 俺は死にたくないから絶対に離さないぞ!」


それを聞いて長谷川は


「良いぞ猛! そのまま押さえろ! 俺はもう少しでこの痛みになれるはずだから! そしたらリンとかいう女を殺す! それまで待ってろよ!」


長谷川はゆっくりと立ち上がろうとしていた。

リンは考えた。


(もう少しであの長谷川って男が立ち上がって私を殺しに来る! それまでにメリアを助ける方法を! ダメだ!! 全く何も思いつかない! 結局私は何もできないの!)


と必死に考えるが焦りと恐怖でリンは震えていた。

メリアは微笑みながら


「リン!」

「メリア……」

「元気でね!!」


そう言って猛の手を掴んだ。


「?? へ?」


メリアに掴まれた猛は意味が分からなかった。

すると

メリアは猛の手をそのまま自分の首に押し付けた。


「!! バカかこいつ! 自分から死ににいったぞ!」

「メッメリアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 止めてええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


するとメリアの首は完全に液状化して菌に蝕まれ始めたが、


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


悲鳴を上げながらメリアは穴の開いた自分の首から猛の手を猛自身の首に掴ませた。


「へ、ちょっちょっちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


猛の首はそのまま液状化し始めた。

それを見て長谷川は


「バッバカあああああああ!! 液状化を解除しろ!!」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


そんな声も届かず猛の首は液状化してそのまま倒れ込んだ。

そして、メリアも菌によって完全に溶けてしまった。

リンは涙を流しながら


「メリアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


と悲鳴を上げながら涙を流した。

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